2006.06.12
「不調の波」
IN COPENHAGEN 1960 (1960)
またまたではありますが、新しい一週間が始まりました。が、私目、かなり不調です。そうです、「さあ行くぞ!」と言う時なのに不調なのです。気温の急激な変化に老体がついていってないのでしょうか? まあ、先週も結構ハードな1週間でしたから、気持ちだけでは体がついてゆけてないってこともあるのでしょうねぇ〜。前のめりで、つんのめってます。今日もお客様を2件訪問。帰社して企画・見積もりやら別件の調整業務やらで、あっという間の一日でした。
こういう時には、せめて体を休め、また気持ちをリセットすることが大事なんでしょうが、明日も県外出張ですし、帰宅しても仕事を引きずってて、なかなかうまくリセットできそうにない。じゃあ、むしろ仕事モードのままでリセットすればいいや! そうだなぁ、靴磨きと革製品のお手入れでもしましょうかねぇ〜。って、こんなことでリセットできるなんて、単純と言うかやっぱりトホホですなぁ。どうやら思考回路がスリープ・モードみたいなので、今日のコラムはこの辺で・・・
マイルスはやりますよ、はい。前作でご紹介したとおり、ING4部作から4年近く同じ釜の飯を食ってきた舎弟のトレーンが「ボス、長らくお世話になりました。」といよいよひとり立ち宣言。マイルスバンドは、トレーン卒業記念旅行にとヨーロッパツアーに出かけます。3月21日パリ(海賊版あり未所有)、22日が前回のストックホルム、そして今夜は24日コペンハーゲンでのライブです。今夜のアルバムも非公式版といいますかコロンビア公式版ではない、「GAMBIT RECORDS made in EU」などという怪しげなレーベルからでている一枚。ネットでこのレーベル調べてみましたが、何もでてきませんでした。アルバム自体は、24日のライブから3曲と、63年の第3期バンドの演奏が1曲入っています。音源は前回と同じくラジオ放送と思われ、ベースが弱いのにピアノがはっきりしている、高音の抜けが悪い、音の粒立ちが悪いということで、前夜のリマスター版とくらべると明らかに「音、わるいでちゅー」。もちろんモノラルでちゅー!「Original recording remastered」とは書いているのですが・・・
1曲目の何はともあれ「So What」。今夜はマイルスからトレーンのブリッジで、トレーンが吹き始めてるのに、マイルス、演奏をやめません。いや、吹きすぎのトレーンに対する嫌がらせとかいうものではなく、ちょっと趣向を変えるための演出だと思いますが・・・トレーンは相変わらず吹きまくりなのですが、ストックホルムと比べるとなんとなくソフィスティケートされているように聞こえます。2曲目はやはりの「On Green Dolphin Street」。1曲目よりもさらに「音、わるいでちゅー」。その辺のAMラジオで聞く分には問題なかったのでしょうが・・・マイルスさまのミュートまでがつぶれてまちゅー。でも、演奏はさすが円熟期の第2期マイルスバンドの残党です。60年と言う時代のやはりひとつの「かっこいいJAZZ」ちゅーもんです。ケリーも「吹きまくりトレーン」に少しは慣れたのか、結構あざやかでいかしたピアノを聞かせてくれます。チェンバースもギコギコ弾きまくります。爽やかと言うよりはプロっぽい「On Green・・・」です。3曲目「ALL BLUES / THE THEME」、このやくざなブルースもすっかり十八番(おはこ)です。ケリーもコブもしっかり叩いてます。で、コルトレーンがある意味こんなにやくざに吹いているバージョンもない、だからこれまたいいのでちゅー。女子供にはわからない世界なのでちゅー。肩で風切るいなせな5人組。
とにかく常に変化し続けたマイルスの、この時期もまさしく意図せぬ激しい変化の途上を捉えた名演ぞろい。このヨーロッパツアーの録音は、「The Complete Columbia Recordings: Miles Davis & John Coltrane 」なる6枚組みBOXセットにも入っていない。(らしい・・・もっていないので・・・)コロンビアさん、もう必要もないボーナストラック入りの既発リマスターではなく、こんな音源を入手してデジタルでじゃぶじゃぶ洗って、再発してくだされー! えーっと、このアルバムですか・・・買いなさい、聞きなさい、はい。