2006.07.05

Books

「喪失と再生の狭間で・・・」

ノルウェイの森 村上春樹

水曜日になりました。昨日は4件のお得意先を訪問させていただいておりました。いろいろお仕事、ありがとうございました。今日も午前中、お得意様を訪問させていただきました。超突貫で、がんばります。午後はクオリティ・チェックやら年度替りの資料やら。夜もお得意様を訪問させていただいておりました。

夕べは読書などしておりました。今さら、今頃ですが・・・

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主人公の「ワタナベ」、似てるんですよねぇ〜。物事の捉え方や、価値観、喋り方とか・・・。時代は60年代終わりから70年代。同時代というには10年ほど違ってはいますが、花の都東京、大学生活、恋愛、音楽、死・・・。時代の色や空気、匂いが手に取るようにわかるような気がします。物語自体は、心を患っている人たちの、生と死の狭間を描いてゆきます。しかしここに出てくる「直子」も「キズキ」も「永沢」も「緑」も、そして描かれる全ての人たちが、果たして精神のこちら側なのか向こう側なのかは、読み手の全くの主観にゆだねられます。時の試練の中で、人というものはなんと無力なものでしょう。しかしだからこそ、生きていることに輝きが生まれる。100の人間には100の異なった魂が宿っていて、100の価値観、100の生き様がある。人としての優しさとは何か、愛とは何か。隣にいる誰かをちゃんと見ることの大切さをひしひしと感じた数時間でした。BGMはもちろんジョンの「Norwegian Wood」。

そういえば、あの頃秋葉原で買った始めての輸入版「ABBEY ROAD」はどこに行ったのだろうか? エレキベースで「Oh! Darling」を練習したっけ・・・。当時読んだ石川達三の「愛の終わりの時」、そしてこっぴどい失恋。そこで味わった「絶対的な喪失感」だけではない、この本の持つ「再生感」は、私が「今、あいにゆきます」に欲しかった「柔らかな優しさ」だったのかもしれません。そのころこの本に出合えていたら、ずいぶんと救われたかもしれない。普段着で、「喪失と再生」「生と死」「正気と狂気」を鮮やかに描く著者、ちょっとはまりそうです。

で、今日はちょっと睡眠不足のため、勝手ではありますが、マイルスお休みします。そういえば「突撃隊」のいなくなった寮室の壁に「ジム・モリソン」(ちょっと暗示的ですが・・・)と「マイルス」の写真、貼ったんだよなぁ〜。直子を思いながら「カインド・オブ・ブルー」を聞いてたんだよなぁ〜。同じだよなぁ〜。

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