2006.08.01
「理念とは・・・トホホなり」
ショパン ピアノソナタ第2番 変ロ短調作品35 「葬送」
火曜日です。今日も午前中、「いけいけコンビ」でお客様を訪問。社長様を交えていろいろとお話させていただきました。よろしくお願いいたします。昼頃は、ちょっと疲れが溜まっているのか軽〜いめまいが・・・。やっぱり午後から退社しようかなと思ったりしてるうちに、強い日差しの午後の太陽はどんどんと西に傾いてゆく。お得意様を訪問させていただいたり、お客様に来社もいただきました。なにかと縁もゆかりもあるものです。そんなこんなで夕方の恒例、営業セッション。実施計画について、チーフにはもっと上を目指してもらうための、ちょっぴり厳しい注文を。なにせうちの今年度の「雌雄を決する」(考えてみれば変な言葉です)重要事項ですから・・・で、やっぱりいつもと同じ時間の退社と相成りました。明日は午前・午後とお客様訪問予定。トホホ社長、夏真っ盛りです。
先日の県外出張の時のお話を。愛車「コロ助」で高速を移動。コロ助にはオートドライブなる文明の利器がついてないものですから、ついてゆくペースメーカーを見つけます。前方には程よい速度で走っている習志野ナンバーのトラックがいたので、それについてゆくことにしました。荷台には電気設備機器らしい荷物が積まれ、大事そうにロープがかけられていました。おそらく数百万とか、もしかしたら千万単位のものかもしれません。
途中トンネルがありましたので、「ライトをオン!」。あれ??? 前のトラックはそのまま走行を続けています。無灯火で・・・次々とトンネルが現れるのですが、全く灯火を付ける様子はありません。いや、もちろんトンネル内でライトをつけなければ、必ず事故にあったり事故を引き起こすと言うものではありません。そのトラックの運転手の方は、勤続うん十年無事故の模範的ドライバーかもしれません。しかしですねぇ、お客様の大事な荷物を運ぶのに、本当にそれでいいのでしょうか?
そのトラックが運んでいるものはただの荷物ですし、保険にも入っていることでしょう。しかし、その荷物が無事予定通り届かないと、困る人が沢山いたり、もしかするとある会社の命運に関わることになるかもしれません。そのトラックが運んでいるものは、ただの金属の塊でお金に代替できるだけのものではなく、お客様自身を運んでいるのではないでしょうか?
もしかしてその運送会社の経営理念は、「安全第一!顧客第一!」とか「私たちは運輸を通じ、最高のサービスを提供します!」とか書いてあるのではないでしょうか? いや、ありそうな話ではあります。その会社のコアな仕事というのは、やはり信頼や期待を作っていたり運んでいたりするんですよね。さて、うちは大丈夫かなぁ〜・・・
さて、心身ともかなりお疲れモードの今夜は、マイルスをお休みしてショパンでも聴きましょうか?ピアノソナタ第2番 変ロ短調作品35「葬送」です。ショパンはワルツを19曲、前奏曲を26曲、書き残していますが、ことソナタに関しては3曲しか残されていません。そして第一番は18歳の時の秀作ですので、実質は2曲なのです。この2番は第3楽章に「葬送行進曲」をもち、後からその前後に3つの楽章を加える形になったため、全体の整合性という意味ではシューマンの言葉を借りると「冗談ではないにしろ気まぐれだ」ということになっています。しかし天才ピアニストのルービンシュタインの言葉を借りるなら、「このソナタは人の生涯が表現されている。それは戦いに始まり、高貴な大望に和らげられ、慈愛と哀悼に移り行き、そして墓石の上を吹き過ぎる」のです。
第3楽章の「葬送」は皆さんもお馴染みのあれです。「ジャーン、ジャジャジャーン」です。この楽章自体は、失った祖国ポーランドに対する哀悼から作られたものなのですが、テレビドラマ、それもなぜか喜劇のお葬式のシーンで使われることが多い。そんな場面でしか聞いたことのない方にとっては、「えっ、夜更けにそんなにしみじみ聴いてるの?」と、明日から接する態度が変わってしまうかもしれませんねぇ。ですが、いえいえどうしてどうして、素晴らしい曲なのです、全体は。しかも今夜の演奏にお呼びしたのはなんと前述の巨匠「アルトゥール・ルービンシュタイン」(来てません、CDです)。まさしく名人芸で、ショパンの想いをしっかりと聞かせてくれます。ショパンならではの詩的で深い世界が、1台のピアノで繰り広げられます。疲れはてた企業戦士の、心と体にショパンを・・・