2006.09.05
残酷な隙間
こころの中には
ほんの小さな
残酷な隙間があって
「想い」と名のつくものは
すべてその隙間に
すべり落ちてゆく
温かい言葉
優しいこころ遣い
送られた花の香り
いっぱいの笑顔
誰かからもたらされる
すべての「想い」を吸い込んで
そこはこころの片隅で渦巻いている
真黒で
光を放つこともなく
もっと温かい言葉を・・・
もっと優しいこころ遣いを・・・
残酷な隙間は
あなたのまわりの
柔らかな人々のこころを
貪欲にむさぼり求める
いっぱいの幸せを受けても受けても
そこは決して満たされることはない
でも
悲観することも
嘆き苦しむ必要もない
自らの言葉で
自らの心を
語りさえすればいいのだから
そうすれば
その獣のような残酷な隙間も
いつしか沈黙の闇の中に
自ら身を潜めるから
こころにはこころで応えよう
そうすれば闇は去り
こころは真に解き放たれ
光り輝く朝を迎える
音も立てず
静かにしなやかに
そしてゆっくりと・・・