2007.01.29
「復讐の鬼」
Collateral コラテラル
昨夜の「風林火山」、ミツが信虎に殺されます。どうやって武田に復讐するか・・・。武田の重臣・板垣信方とのつばぜり合いの後、勘助らは晴信に接見し、「恨みを捨て、大望を抱け」と言われます。武田家内での父子の疑心も重なって、複雑な展開です。そして、武田家間者として今川家の内紛の実情を探るため駿河に赴いた勘助は、叔父である今川家重臣・庵原忠胤に会うのですが・・・。で、第4回のタイトル「復讐の鬼」って、ちょっとどうなんですか?あんまり「鬼」らしくなく、淡々と物語が進んでいくのですが・・・。物語の消化はいいとして、タイトルはもう少しわかりやすくお願いします。何たってアイドル、いやタイトルですから・・・。
一方、ハリウッドで「怒り」が爆発したらどうなるか・・・。
Collateral 邦題:コラテラル
会社経営を夢見るしがないタクシードライバーのマックスは、ある夜一人の客を拾います。ヴィンセントと名乗るその男は、不動産の仕事で今夜5人の客を回らなければならないと告げ、マックスは彼から$600で一夜のタクシーの貸切を依頼されます。
一晩で7万円近くですから悪い仕事ではない。最初の指定場所へ着き、車から降りたヴィンセントを待っていると、いきなりタクシーの屋根に死体が落ちてきます。殺したのは何とヴィンセント。本業が実は殺し屋である彼の目的は、一夜で5人の標的を殺すことでした。とんでもないことに巻き込まれたマックスの運命やいかに・・・。
1台のタクシーで起こるたった一晩の物語にしては、シーンも会話もいかしてるし、なによりもマイケル・マンお得意の夜景、それはそれは美しいのです。カメラアングルも彼の持ち味であるダンディズムをうまく増幅しています。
マックスを演じるジェイミー・フォックスは、映画「レイ」で神がかり的な演技でアカデミー主演男優賞を受賞、マン監督にも気に入られてその後「マイアミ・バイス」にも起用された新進気鋭の俳優です。
「殺したのは銃弾で、俺は撃っただけ」という独特の殺しの哲学を持つビンセントと、「人間なら誰でも持っているはずの何かがあんたには欠けている」と話すマックスとの、人間性の対比がタクシーの前後の席で繰りひろげられます。
しかし本来憎むべき殺し屋のビンセントにも、トム・クルーズが演じているということ以外になんとなく共感を感じてしまいます。それは彼に、「目的に向かって一切の迷いなく突き進む」という潔さ、男らしさを感じるからでしょうか?そういう意味では、マックスの方は夢ばかり見ていていつまでたっても何も出来ない典型的な負け犬に見えてきます。高そうなスーツだけでなく、ビンセントのそういったプロの殺し屋としての身のこなしや、惚れ惚れするような銃の扱いのかっこよさも共感する一因かもしれません。
マイケル・マンは、サム・ペキンパーのように男臭い映画を撮ることで有名な監督です。女性を描くのが下手なのもペキンパーゆずりかも。下手です、はい。というか、「マイアミ・バイス」もそうでしたが、どうでもいいと思ってるのかも・・・。
とにかくダンディズムや哀愁、渋さにかけては現代屈指の監督だと思います。また生の銃声をわざわざ録音して使ったり、銃痕にまでリアリティを追求するという彼のガンアクションの演出も、我々男どもにびしびしと訴えるものがあるのかもしれません。トム・クルーズファン、あるいは男の色気に興味のある女性の方へお勧め。もちろん硬派の男性には100%お勧めです。
出演: トム・クルーズ, ジェイミー・フォックス, ジェイダ・ピンケット=スミス
監督: マイケル・マン 2004年
BOSS的には・・・★★★★☆
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2006-04-21
Amazon.co.jp ランキング: 7350位
おすすめ平均:
映画の楽しさが感じられる作品
トム・クルーズの演技が素晴らしい!
ヴィンセント、恐すぎっす!
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