2007.03.01
12人の優しい日本人
昨年5月に成立した「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」。それに基づき、わが国でも5年以内に裁判員制度が実施されることは、皆さんご存知の通りです。この映画は、もし皆さんが陪審員となって、人を裁く立場になったらという物語。原作は、三谷幸喜脚本・演出の1991年の舞台、元ネタは1957年米ミステリー映画「十二人の怒れる男」です。全編を通して、たった一つの部屋で繰り広げられており、「物語は脚本が面白ければ場所など関係ない」というようなことで、よく事例に出されることも多いようです。
タイトルどおり、基本的に日本人の「善」や「優しさ」に基づいており、良くも悪しくも善人の感情で「優しい」庶民が描かれます。12人それぞれのキャラクターがあり、誰かに自分を投影しようとするのですが、どうも三谷さん嫌いが災いしてか、ぴったりはまる登場人物がいない。そうこうしてるうちにも、物語は淡々と進んでゆくわけですが、喜劇的要素が突出しているため、真相を突き詰めるというミステリー要素が皆無。舞台的などたばたがどうしても鼻につき、密室の緊張感は皆無といっていいでしょう。
結局ここで、三谷幸喜が訴えたかったのは、どんな場所であろうと、人の生死を決するような重要な場面になったときに大切なことは、人として語り合い理解し合うことだし、その前に「個」としての自立、あるいは確立が重要だという事ではないでしょうか?先日同友会の例会下打ち合わせで、某社社長様の問いかけにもお答えしましたが、私自身が最近、いろいろな場面で、この「個」としての自立・確立のテーマ性を感じてしまうから、余計そう見えるのかもしれません。みなさんは、人を裁けますか?それほどみなさんの「個」は成熟していますか?
出演: 塩見三省, 豊川悦司
監督: 中原俊 1991年作品
BOSS的には・・・★★☆☆☆
パイオニアLDC
2000-10-25
Amazon.co.jp ランキング: 17993位
おすすめ平均:
とにかく面白い
人が裁くということ・・・
目から鱗の展開
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