2007.03.27
Miami Vice 邦題：マイアミ・バイス
マイアミバイスといえばソニーとリコの刑事物。そうです、あの80年代を席巻したTVシリーズの劇場用リメイク版を今日はご紹介します。当時としては傑出したリアリティが、はたして21世紀にどう再現されたか・・・？全米興行No.1の潜入捜査物、とくとご覧あれ！
あらすじは、マイアミ警察特捜課(バイス)に所属しているソニー（コリン・ファレル）とリコ（ジェイミー・フォックス）の二人が使っている情報屋の家族が殺され、情報屋自身も自殺してしまいます。一方でFBIの潜入捜査官が潜入捜査中に殺され、どうやら合衆国司法機関の合同捜査の情報が漏えいしているらしい。二人はテーマである潜入捜査により麻薬組織に潜入し、情報漏洩ルートの割り出しを開始します。
早速コロンビアに（自家用ジェットで！）飛び、組織との接点と目されるイエロと接触する二人。潜入捜査の最も醍醐味溢れる最初の接触シーンは、まさにリアリティむんむん。結局、疑いつつも試しに運び屋を依頼されます。そしてソニーは、ボスの愛人イザベラ（コン・リー）と恋に落ちる。ふっ飛ばすパワーボートで恋が芽生える、さすがはマイアミ・バイスです。いかんやろー、犯罪組織の資金洗浄担当者と恋に落ちては・・・。いいんです、だってリアルではありえなくもないし、ここで無理やりにでも設定しなければ、恋か仕事かというソニーの頭の痛い悩みが発生しないではないですか・・・。はてさて組織との戦い、そして二人の運命やいかに・・・。
で、この映画なのですが、正直女子供は楽しめません。ロマンスはありますが、常識では判断できません。なぜならすべてがあまりに「リアル」すぎるからです。夢見る暇などありません。
物語自体が、とにかくリアルなつくりです。会話の訛りも相当なもの。カメラワークもドキュメント風に、ときにはぐらぐらと揺れながらパーンしたり、狭い場所から肩越しに撮影したりしています。最初の銃撃シーンであるリコの恋人の女刑事救出のシーン、まったく派手でないけれどまさに現実はこうなのだとうならされます。圧巻はラスト前の組織との銃撃シーン。まさに迫真のドキュメントです。
聞くところによると、この映画の製作にあたっては、元FBIの潜入捜査官のアドバイスを聞いたり、ファレルたちは実際の麻薬取り締まりに立ち会ったりしたそうです。ありとあらゆるシーンに、マイケル・マンのリアリティへのこだわりは及んでいて、見れば見るほどとにかくリアルな映像になっています。二人の扱う銃器も、SV InfinityにSIG SAUER。突撃シーンのソニーの肩には、SIG SG552がぶら下がっています。私も実は、密かなガンマニアだったりします。っていうか、男ってみんなそうですよね！（開き直り？）もちろんマイケル・マンの特徴である夜のシーンの美しさは「コラテラル」でご紹介したまんま。美しい、あまりにリアルであまりに美しい。犯罪のどろどろとしたリアリティとの対比がまたすばらしい。恋愛シーンの３流っぽさもそのままです。
コリン・ファレルは、アレクサンダーなんかよりずっとかっこいい。ジェイミー・フォックスは相変わらず煮え切らない男ですが（笑）。TVシリーズのかっこよさとはまた異なる、かっこよさ。ああ、これから生涯を通じて何回見ることか・・・。ちなみに、あまりにリアルすぎて劇場とTVとの違いは余りありませんので、ビデオでも十分堪能できます。もちろん5.1ch大音響で、フェラーリサウンドも合わせてご堪能ください。
出演：コリン・ファレル,ジェイミー・フォックス,コン・リー
監督：マイケル・マン 2006年
BOSS的には・・・★★★★☆
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2007-09-13
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