2007.04.19
Ray 邦題:レイ
ソウル・ミュージックの巨匠、レイ・チャールズの人生を描いた伝記映画。って言っても「レイ・チャールズって誰?」とお思いの方も多いはず。では、「ジョージャ、ジョージャ〜♪」と男性が歌う「我が心のジョージア(Georgia On My Mind 」を耳にされた方は多いはず。そうです、この曲を歌ってるアメリカの盲目の黒人シンガーの、成功までの波乱に満ちた物語です。某メーカーの缶コーヒーとは関係ございません。
土埃の舞う貧しいジョージア州の片田舎。幼い頃、緑内障で両目の視力を失った少年レイ・チャールズ・ロビンソンは、貧しくも気丈な母一人の手で育てられます。「施しは受けず、自分の足で立って生きなさい」と少ない収入から盲学校に寄宿することになりますが、その間に最愛の母親が他界。盲人に出来ることしか教えない盲学校ではなく、自分のしたいことで生計を立てることを志し、バスに揺られて大都会シアトルに向かいます。ここで彼はピアニストとしてデビューするのですが、相変わらず盲目ゆえの搾取と侮蔑が待ち受けています。しかし一歩ずつ、まさしく手探りで、自らの夢に向かって彼は歩み始めます。
監督は、「愛と青春の旅立ち」のテイラー・ハックフォード。なによりもレイ・チャールズを演じるジェイミー・フォックスの演技がすごいのです。あちこちでも「神がかり的な演技」との評判ですが、まさしくその通り。本当に「コラテラル」や「マイアミバイス」のジェイミーとは全く別人です。アン・ビリーバボーです。レイ本人から直々指名されたので、張り切ってがんばったというようなものではありません。本当に、現実より迫真の演技かも!?(笑)物語り自体も単なる英雄伝説ではなく、クリエーター&ミュージシャン、そして一流のビジネスパーソンとしての面と、麻薬常習者であり女たらしである彼のもう一面、つまり「そのまんま東」、じゃなく「そのまんまレイ」が克明にリアルに表現されています。
2004年アカデミー賞主演男優賞、同年ナショナル・ボード・オブ・レヴュー最優秀主演男優賞、2005年ゴールデン・グローブ賞最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)ほか多数受賞は然り然り。本当に、夢はかなえるものなのですねぇ〜。
出演:ジェイミー・フォックス,ケリー・ワシントン,クリフトン・パウエル,ハリー・レニックス,リチャード・シフ,アーンジャニュー・エリス
監督:テイラー・ハックフォード 2004年
BOSS的には・・・★★★★☆