2007.05.02
About Schmidt 邦題:アバウト・シュミット
企業や産業サイドからみれば「団塊世代の定年問題」も、それぞれの立場から見るとひとつひとつのドラマです。大手保険会社を無事定年退職したウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は、さて第2の人生をいかに過ごそうかと悩んでいる。ある日、ふと目に止まった「世界中の恵まれない子供たちに寄付を!」という、ちょっと胡散臭そうなチャリティ団体のCMに応募します。金額は月額22ドル。援助することになる少年に、自己紹介の手紙を書いているうちに、それまで気づきもしなかった家族や友人、職場や仕事に対するさまざまな思いがまさに噴出してきます。
妻ヘレン(ジューン・スクイブ)への不満、ろくでもない男と結婚すると言う一人娘ジーニー(ホープ・デイヴィス)への嘆き、職場の後任者への怒り。いろいろあって(ネタばれになるので・・・)一人、キャンピングカーで旅に出るシュミット。旅先で人に触れ、物に出会い、それでも彼は自身の居場所を見つけることが出来ない。意を決して娘が結婚式の準備をする街に出かけます。彼はそこで何を手にすることが出来るのか・・・
ストーリーとしては非常に地味です。笑いはありますがペーソスに満ちていて、しかも劇的な感動はありません。同じ設定でも、劇的な構成は出来たのでしょうが、あえてそうしなかったことにこの映画の意味があるような気がします。ジャック・ニコルソン、いい味出してます。彼じゃないと単なる悲劇で終ってしまったかも。ちょっと他には思い当たりませんねぇ。
結局、この映画が(訴えたいではなく)残したもの、それは人と人との「絆の大切さ」ということでしょうか?もちろん、それぞれの方で、思いは異なると思いますが・・・。そして、「正しいこと」とは結局「信じること」でしか、正しいことの正当性は保てない。そんなありきたりの、どこにでもありそうな、ちょっと心に沁みる映画でした。2003年ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門最優秀主演男優賞・最優秀脚本賞、同年ロサンゼルス映画批評家協会賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞・最優秀脚本賞他受賞。
出演:ジャック・ニコルソン,キャシー・ベイツ,ダーモット・マローニー,ホープ・デイヴィス,ハワード・ヘスマン
監督:アレクサンダー・ペイン 2002年
BOSS的には・・・★★★★☆
おすすめ平均:
最後はシュミットが、、、
最後の五分。意外で美しい、極上のラストシーン。
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