2007.05.07

E38

ザ・クラッシュ! E38

先日、長年愛用していたカーステレオが(とうとう)壊れました。壊れたといっても、システム全体の一部なのですが、メインといえばメインでした。で、その話題を書く前に、7年前に私がチャレンジした「カーステレオ・インストレーション」について、かつての個人サイトの記事を再掲載します。で、この度の修復作業は後ほど・・・。

以下は、2000年7月16日掲載の記事です。

「カーオーディオ グレードアップ大作戦!」

「とにかくやっちゃえば、なんとかなる!?」の巻

みなさんは、お車をお持ちでしょうか?かつ音楽がお好き、しかもどこでもいい音で楽しみたいとお思いでしょうか?かくいう私は、とりあえず自家用車なるものを所有しておりまして、音楽が好きです。しかも「やっぱ、音楽はいい音で聴きたいよね!」派!!最近は、その辺のユーザニーズを汲み取って、各自動車メーカーもそこそこのオーディオを組み込んだ車を発売してますよね!それでも、より「いい音」を追求してしまうのは、「人類進化の宿命」だつくづく思ってしまう・・・



そんな悩み多く、私のように財布の軽い方のための

「LastResort番外編」 ステレオ自分でつけちゃえ! です!

☆☆ 設置可能性の確認 ☆☆



(本当に付くの???)

これが私の愛車の純正オーディオ。6連装CDなど、確かにつぼは押さえたそこそこの品物。で、最近多い本体一体型のシステムは、いじりようがないのも確かです。これ以上は求めないでくださいというメーカーの良心?まあ、スピーカーの交換は可能でしょうが、それって「いろはのい」の「い」で終わりってこと???



で、この手の車のオーナーとなってしまった私は、近所のカー用品の全国チェーンへ特注の相談にいきましたが、「ビルトイン以外、不可!」のお返事。しかたなく、高額覚悟で専門のショップの扉を恐る恐るあけ、これこれしかじかと説明すると、



「大丈夫ですよ!」

「そうですか!、で、いかほどになりますか?」

「部品代が40万円くらいかな、あとインストレーションに100万円くらい用意してもらったら、抜群のものになりますよ!」「・・・・・」

「どうですか?」

「また寄せてもらいます・・・・」(スゴスゴ・・・・)







ちょっと待ってくださいよ!確かにいい音するだろうし、そりゃいいですけどね・・・(当時)僕ただのサラリーマンなんですけど・・・



というわけで、もうこうなったら自分でやるしかない!(できるの?)(やるっきゃない!)(・・・・・)

いや、昔ビルトインもセットしたことあるし・・・(大丈夫かな?????)



ところが取付け前に問題山積。まず問題は、一部情報では、この純正ユニット、スピーカーを交換しただけで音が出なくなる回路になってるらしい・・・しょうがないから、新しいセットは、全く別系統にする。そうすればこの問題はとりあえず回避(!?)。



次はヘッドユニット、いわゆるステレオ本体の装着場所です。前席中央のお約束の場所は、上の写真のように純正で埋まってて、手のつけようがない。助手席の前のグローブBOXの中?これじゃ操作のたびにふたの開閉が必要になる。じゃあグローブBOXの下?邪魔だし、いかにも後付けってのがどうしても気に入らない・・・で、ふと運転席前方のハンドル下を見ると小物入れがある。巾は・・・入りそう・・・・厚さは・・・・ぴったり!!というわけで、この可動式の小物入れを取っ払ってヘッドユニットを取付けることに決定。スピーカーは全席のみ交換し、純正とは縁を切る。純正のテレビの音は、後席ドアに残す純正スピーカをそのまま鳴らすことにしよう。



というわけで、物理的や根本的な問題点をクリアー。あとは独力で設置できる技術の問題・・・・やるっきゃない。人間、経験だ!がんばれば日はまた昇る・・・・・(~_~;)  で、次なるプロセスは機器選びです。

目標は「いい音を、安く・・・・」

☆☆ 機器選び ☆☆

1.スピーカー

音にもっとも影響を与えるのがスピーカーなのは、家庭用ステレオでも同じです。まあ、それまで電気信号だったものがいきなり空気を震わすわけですから・・・



で、いつもよく聞くCDをカー用品やさんに持ち込んで、係りの方の了解をいただき視聴すること30分。大体音楽というものはジャンルによって要求されるレンジの巾や、立ち上がりのスピード、音場のプレゼンス(手前に出てくるか、奥に引っ込むか・・・)などいろいろです。たとえばPOPSは元気欲歯切れよく、どちらかといえば前に出てくる感じ。一方クラシックではレンジの広さと朗々とゆったりと鳴ることが理想です。ボーカルなら自然な感じで、レンジの広さよりも、ボーカルやそれぞれの楽器の位置がはっきりしてること(定位感)。あちら立てればこちら立たずのジレンマの中で、オールマイティ(すべてそこそこ)を選ぶか、ジャンルを絞込みその他はあきらめるか・・・



そんな苦渋の選択の中でしぼったジャンルは、「ボーカル」。そして今回選んだのは、carrozzeriaのコーンにケブラーを使用した軽量ウーハとトゥイータの2Wayスピーカ「TS−C1600A」です。理由は独特の磁気回路設計による歯切れのよい中低音と、ちょっと癖はあるものの暖色系でプレゼンスのよいボーカルです。実際、ドラムのスネアのタイトな感じと、小編成のボーカルアルバムのらしさは、最終的なシステムの評価となっています。

carrozzeria TS-C1600A

16cm セパレート2ウェイスピーカー



● 周波数特性    30Hz〜30、000Hz

● 耐入力
              150W

● 出力音圧レベル 89dB/W

2.メインユニット

メインユニットには、同じくcarrozeriaのDEH−P7700をチョイスしました。選定条件は、CDがかかること、フロントのRCA出力があること、リアもしくはサブウーハ用のRCA出力があること、そして最後はスピーカとの相性ということで決めました。上級機種にP9900という選択肢もありましたが、オーディオはバランスが一番なんです、実は・・・お金もないし・・・。もちろんCD−Rにも対応しています。アンプ部は最大出力45Wx4ですが、今回はこのユニットのパワー段は使用しないので問題ありません。

3.メインアンプ

次は、先に選んだフロントスピーカの駆動をするパワーアンプです。パワーアンプも厳密には音に影響を与えますが、このあたりのグレード、価格帯であれば、どこを選んでも大差ないというのが私の持論です。で、今回 carrozeria GM−X7200を選んだのは、スピーカーやヘッドユニットと同一メーカーという理由ではなく、現行品が新製品にかわり、カタログから名前が消えているのを目ざとく見つけた私が、お店の係員さんと展示品の値引き交渉のすえ超破格値で購入可能だったからなのです。

carrozzeria GM−X7200



● 最大出力 100Wx2

● 定格出力  50Wx2(4Ω)

4.サブウーハー

お次はサブウーハです。サブウーハというのはワゴンタイプなどの専売特許です。私の愛車はセダンタイプなので、本来トランクにサブウーハを設置しても、その効果は思ったほどありません。ところが愛車を詳細に調べてみると、なんと後席の間の可倒式アームレストの裏側のキャビンとトランクルームを隔てる分厚い鉄板が一部小窓のように別の鉄板でできていて、スポット溶接されているだけ・・・もしやもしやと、ハンマーを持ち出し、狭いトランクにもぐりこみ、自分の頭を叩かないように鉄板たたいて15分・・・みごと「低音様専用」トンネルが出来上がったのです。



「ああ、神様。わたしにサブウーハを用意しろとおっしゃるのですか・・・?」

「そうじゃ・・・・」



またしても、現品・展示品をあさる私の目にとまったのは、ADDZESTのSRB2551という据え置きユニットのサブウーハ。寸法的にはトランクにすっぽり収まるし、中口径のウーハなので、最近の若い方のような派手な使われ方には力不足でしょうが、どちらかといえばタイトな低音が欲しい私にはぴったり!



そして、最終的な判断は、その価格もさることながら、背中に2台のアンプを背負わせることができそうだということ。こうしておけば、どうしてもトランクを広く使いたいとき、ケーブルを抜いてサブウーハ+アンプをごっそり取り外すことができる・・・しないけど・・・。



かくして「サブウーハ1台、お買い上げ!!」と相成りました。

ADDZEST SRB2551



● 25cmラミネートコーンウーハx2

● 周波数特性    28Hz〜2,000Hz

● 瞬間最大入力  300Wx2

● 定格入力     100Wx2

● 重量        15kg

5.サブウーハ用アンプ

最後は,サブウーハ用のアンプです。実はこのアンプは手持ちのもの。ここまでくるともう,どうでもいい・・・というわけではなく,クロスオーバーとなる80Hz以下の低音の音質をアンプがめまぐるしく変えるとも思えず、それよりもフロントスピーカ用のアンプとのパワーのバランスの方が問題となるでしょう。今回の場合は、結果的にいえばやや力不足ではありましたが、メインユニットのわずかなバランス調節で問題なく使用できましたので、マッチングとしては問題ないといえるでしょう。

KENWOOD KAC-746



● 最大出力200Wx2(4Ω,2chブリッジ接続)

● 定格出力100Wx2(4Ω,2chブリッジ接続)

☆☆ インストレーション ☆☆



(別名:肉体労働!!!)

まずはメインユニットを、偶然探し当てた所定の場所に仮設置。本来なら、汎用の1DIN−BOX等を使用すれば簡単に固定できるのですが、幸運もそこまで私には優しくはなかった。小物入れをはずした後の空きスペースを調べると、ユニットがぎりぎり入るだけ。やむを得ず汎用の鉄板ブラケットを買ってきて取付けることにしました。電源やACC電源の確認は、一般の車なら市販の配線キットを差し替えるだけで接続できるのですが、私の車の場合は設定なし。しょうがないのでDIYショップで安いテスターを購入し、それぞれの電源を探し接続しました。とりあえず電源を入れると、点灯。どうやら設置の可能性はでてきた・・・(~_~;)

つぎに前席ドアの内張りをはずし、純正ユニットを取り外して新しいユニットを取付けます。純正は12cmユニットだったのですが、16cmでも汎用固定穴を利用すれば取付けが可能でした。今回のユニットは、マグネット部分がコンパクトだった事も固定に問題がなかった理由です。このあたりの装着可能性もカタログに「取付可」となっていない場合は、購入前にスペースとユニット寸法などよく調べておかないと、返品という憂き目にあいますよ!

で、固定前に各部に制振・吸音措置を施します。投入するパワーが純正の5〜10倍近くなりますので、純正の時にはなんでもなかった部分が振動したり、ビビリ音や音のにごりが発生したりします。市販の制振用のシートを、主にユニットのBOXとなるプラスチック製のBOXに張り巡らします。

そして薄いパーチクルボード製の内張り側は、要所に吸音シートを張り、ドア内部での反響を防ぎます。こうすることで、予想以上にクリアーな音が確保できます。振動に関しては、基本的にスピーカー付近では固定されておらず、またウーハの音を内張り内に漏らさないようにユニット回りに住宅のドア等の隙間テープでふさぐことにより省略しました。トゥイーターはネットワークを介して純正トゥイータと入れ替えます。(写真右下)固定ビスはあわないので、金属製の小さい目の網でユニットを固定してビス止めし、余計な音漏れを防止するために吸音シートを張りました。



*後日、ここはフルパワーに対応すべく、さらなる制振・密封処理を施しました。

各ユニットの設置が終わったら配線です。本来はカーペットをはがして配線すれば見た目にはすっきりするのですが、作業が大変なのと、「まあ、自分の車だから・・・」という単純な理由でやめました。ただ、床をぞろそろ配線したのでは能がないので、ドア部分のモールなどを利用し、極力配線が露出しないようにしました。後席は簡単に取り外しができますので、トランクに向かって、座面下に配線を通します。



こうして出来上がったフロント回りが、右の写真です。メインユニットはイレギュラーな位置についていますが、ドア部分のこの内部にあのイエローコーン(バイク部品ではないですよ!)の強力ユニットが収まってるとは思えないでしょう!?

そして、最後にトランク内で、パワーアンプ及びサブウーハの結線・設置を行ないます。サブウーハBOXにアンプ2台を背負わせる作業は事前に行なっておきます。バッテリーからパワーアンプへの電源接続時には、バッテリーのアース端子をはずしておくのはお約束ですから!また配線時には、最終的に配線がきれいにまとめられるような長さや順序を考えて行ないます。見た目だけでなく、トランク内で荷物に引っかかってヒューズを飛ばすなんて事のないように!アンプに対するブリッジの設定やローパス・ハイパスフィルターなどの設定も行ないます。各配線が終わったら、もう一度配線の間違いがないか確認します。「つないだとたんに白煙!」なんてことにならないように年には念を入れて!

配線の確認が終わり、しばらく瞑想し、「アンプをふっ飛ばしても自分が悪いんだから仕方がない・・・」という悟りの境地に達したら電源を接続し、メインユニットの電源を入れます。そうそう、電源を入れるときには、一番のお気に入りのCDを記念にかけましょうね!私は、「エリッククラプトン」の「ピルグリム」をかけました。



エンジン作動時にオルタネータ(発電機)からの雑音が混入するので、ノイズリダクションフィルタを取付けます。今回はADDZESTのNSA-141-110
をアンプの入力前に設置しました。



*これも後日、アースを正常に処理することで省くことが可能になりました。

☆☆ 結論 ☆☆

さてさて、以上のように部品代以外は、当人の納得づくの労務費だけで完成したカーオーディオ。出来上がった音は、はたして狙いどおりだったのでしょうか?また、コストパフォーマンスはどうだったのでしょうか?



結論から言えば、「費用の倍の価値はある!」というものです。ねらいどおり、フロントスピーカーからは定位感のしっかりしたやや暖色系ながらもしっかりしたボーカルが飛び出してきますし、必要以上なワイドレンジで耳につくようなこともない自然でリアルな高音、そしてややタイトながらもしっかりした立ち上がりの早い中低音。そんなフロントユニットをたっぷりとした重低音で包むサブウーハ。フロントスピーカのところでお話しましたが、carrozeriaは、やや中高音域に独特の音色を持たせてありますので、あくまでもクールでピュアーな音を求める方は、別のユニットのほうがいいでしょう。逆にこのシステムは、JAZZやPOPSなどは比較的無難に、いや結構それらしく鳴りますので、一般のカーオーディオとしては広いユーザにおすすめできる構成だと思います。



確かに、インストレーション全国大会に出場できるほどの音ではありませんが、日常のドライビングミュージックマシンとしては、コストパフォーマンスも抜群だといえるでしょう。何よりも、自分で取付けたという満足感だけでも、「いい音」へのバイアスがかかってしまいます。

やって、よかったべー!でも、うまくいってもっとよかったべー!  (~_~;)

というわけで、市販ユニットがビルトインできない車種の方、あるいは自分でやってみたいと思う方、なにかあればお気軽にご相談ください。(商売はしません、あしからず・・・(~_~;))

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