2007.06.25
渡津海の豊旗雲に入日さし今夜の月夜清明けくこそ 天智天皇
わたづみの とよはたぐもに いりひさし こよひのつくよ あきらけくこそ
「沖に浮かんだ大きな旗のような雲に赤く夕日が差している。今宵の月は名月になるだろうな。」というような意味。それ以上でもそれ以下でもないのですが、人などとは比べ物にならない壮大な自然の営みと、またそれを愛でる人としての楽しみが、ストレートにスムーズに表現されています。
天智天皇は、御存知中大兄皇子。中臣鎌足らと謀り、645年に日本で最古のクーデターを起こして蘇我入鹿を暗殺。学生時代に習った「大化の改新」ですねぇ〜。これによって豪族たちの覇権争いに終止符が打たれ、天皇中心の時代が始まります。このお方、弟の大海人皇子から、かの額田王を奪ったという話も有名で(事実ではないという説もあり)、「英雄色を好む」の最古の見本でもあるのかな?