2007.08.10

万葉の旅

英虞(あご)の浦に船乗りすらむをとめ等(ら)が珠裳の裾に潮満つらむか  柿本人麿

人麿30歳、持統天皇が藤原宮に遷都する数年前の飛鳥浄御原宮にて、伊勢に行幸した天皇とその侍女たちを思い浮かべて歌った歌です。

「山間から海辺の伊勢に赴いた天皇のお供である若く美しい女官たちが、物珍しさではしゃぐその裳の裾は、きっと潮に濡れていることだろう。」

斉藤氏によれば、親しげな歌風のため、女官の中に人麿の恋人がいたのでは?と言っておられます。まあ、彼の歌はそういう細かいことを抜きにして、威風堂々たる調子を楽しめばよいのですが。まあ、素人の私などがとても真似のできない、素晴らしい歌であります。まだまだ修行がたりんなぁ〜といいますか、永久に無理でしょうが・・・。

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