2007.09.19
HOTEL CARIFORNIA by EAGLES (1976)
9月も後半だと言うのに、この暑さは何だ!と、井上陽水風に始まった今日の投稿。福岡では35度を超えたようです。残暑に負けないようにと、こんな音楽はいかがでしょうか?1976年、今から30年も前のアルバム。でも、知ってる人は知っている。知らない人は、コンニチハ。今日はこのアルバムの1曲目のタイトル曲「Hotel Carifornia」をご紹介します。
ホテル・カリフォルニア
暗く寂しい砂漠のハイウェイ
涼しげな風が髪を弄ぶ
コリタス草の甘い香りが柔らかく漂い
はるか行く手にはかすかな灯りが見えた
私といえば頭は重く視界はかすむ
どうやら今夜は休息が必要なようだ
礼拝の鐘の音と共に
玄関に一人の女性が姿を見せた
私は自分自身に問いかけてみる
「ここは天国なのか?それとも地獄なのか?」
女主人であるその女性はローソクに灯を灯し
私を部屋へと案内した
廊下の向こうからは囁く声が聞こえてくる
「ようこそホテル・カリフォルニアへ
ここはステキなところ
お客様もいい人たちばかり
ホテル・カリフォルニアは
数多くのお部屋をご用意して
あなたのお越しをいつでもお待ちしております」
彼女はまるでティファニーのように繊細な心と
メルセデスのような優雅な曲線美を持っていた
「友達」と彼女が呼ぶ沢山のプリティ・ボーイたちに囲まれ
中庭で香しい夏の汗を流しながらダンスを踊っている
思い出を心に刻む為に踊り
またすべてを忘れるために踊る
私は支配人にこう伝えた
「ワインを持ってきてくれないか」
すると彼はこう言った。
「そのようなスピリットは1969年以降一切ございません」
それでも人々が深い眠りについた真夜中でさえ
どこからともなく囁く声が聞こえてくる
「ようこそホテル・カリフォルニアへ
ここはステキなところ
お客様もいい人たちばかり
どなたもホテルでの人生を楽しんでいらっしゃいます
口実と引き換えにあなたには毎日が驚きの連続となるでしょう」
鏡張りの天井
冷やされたピンク・シャンペン
彼女は言う
「ここの住人はすべて囚われの身となった者ばかり
ただし、自分の意思で・・・」
やがて大広間では祝宴の準備がととのった
人々はそれぞれが鋭いナイフを突き立てるが
誰ひとり己の内なる獣を殺すことは出来ない
気がつくと私は出口を求めて走りまわっていた
もとの場所に戻る通路を
なんとしても見つけなければ・・・
すると 夜警がこう言った
「落ち着いて!
あなた自身の運命を受け入れるのです
このホテルはチェック・アウトは自由ですが
立ち去ることは永久に出来ないのです」
(訳詩:BOSS)
ホテル・カリフォルニアとは、イーグルスにとっての西部、もっと言えば新大陸アメリカそのものです。有名になる為に、一攫千金を狙って、あるいは田舎の貧しい暮らしを捨て、彼らも大都会に憧れやってきます。しかし、都会の暮らしは、あるいは先住民族を駆逐して広めた自由の国アメリカは、果たして本当に自分たちが目指していた場所なのか?それは志していた暮らしなのか?
彼ら自身は確かにリッチにはなりました。しかし、彼らの心のどこかに、そのことに対する猜疑心が生まれている。
「そのようなスピリットは1969年以降一切ございません」
1969年はかのウッドストックのあった年です。そしてこの頃以降、ロックもジャズも、すべての音楽は巨大な営利の世界、音楽ビジネスの渦に飲み込まれてしまう。「愛」を叫ぶことで平和を、世界を変えることを夢見ていた多くの志は、ウッドストックと共にこの時代に死に絶えます。スピリットとはお酒であり「志」でもあるのです。
「落ち着いて!
あなた自身の運命を受け入れるのです
このホテルはチェック・アウトは自由ですが
立ち去ることは永久に出来ないのです」
一度足を踏み入れてしまったら、二度とそこから出ることの出来ない甘美な生活。それがあなたの運命なんだと彼は言います。運命とは受け入れるもの・・・。
あなたは、あなたのホテル・カリフォルニアに住んではいませんか?