2007.10.14
MISSION: IMPOSSIBLE 邦題:ミッション:インポッシブル
もう、10年も前の映画なんですね。トム・クルーズ、メチャ若いし・・・。往年の人気TVシリーズ「スパイ大作戦」の映画化作品第一作目です。もちろん、今頃になってこの作品をご紹介するのは、昨年3作目を数え、そのご紹介の前に・・・ということで。もともとのTVドラマが持っていたスパイ物語らしさとしては、実はこの第一作目が最もそれらしいのです。
東欧で展開されたCIAのスパイ組織IMFの作戦が、情報漏えいのため失敗。イーサン・ハント(トム・クルーズ)は2人の仲間と個人的にも親しかった指揮官を失い、自らも裏切り者としてCIAから負われる立場となります。本当の裏切り者であるヨブと名乗る人物と接触するため、MIFを首になったクリーガー(ジャン・レノ)と天才ハッカールーサー(ヴィング・レイムス)を雇い、CIA本部に侵入を試みます。
同じくスパイ物の007シリーズとの違いは、007のような凝った小道具やヒロインなどの娯楽要素が少なく、どちらかといえば物語の展開といったドラマ要素が中心になります。当時、白い歯スマイルからの脱却を図っていたトム・クルーズ、がんばってシリアスに熱演してますが、まあ物語自体が細かいニュアンスと言うよりは劇画タッチですから、まあまあオッケーかと。
いえ、私はトム・クルーズは決して嫌いではなくて、トップ・ガンやカクテル以来、彼の作品は結構見てます。次の展開が読めるあのシンプルな表情は、ある意味シンプルなヒーロー像でもあるのです。
コアな映画ファンなら御存知でしょうし、ちょっと深入りされる方はお分かりでしょうが、この作品の監督ブライアン・デ・パルマは、ヒッチコック似の作品作りで有名。ただし、映画の成功とは裏腹に、評価されたのはトムのプロデュースのほうで、パルマはこの作品の後は、ハリウッドでは干された形になります。
ピュアなスパイ物ファンに。トム・クルーズファンに。あと、ヒッチコックやオーソン・ウェルズファンにも。ハントの使用銃は、先日ご紹介したベレッタ(のはず)ですが、発砲シーンはほとんどないので、ガンマニアは肩透かし。ラストの列車の屋根でのシーン以外はアクションらしいアクションもなく、ベッドシーンもありません。そういう意味では、社会派でもない硬派の、ハリウッド映画としては独特の映画ですなぁ。
そしてこのシリーズは、007よりももっと光速に、次の2作目からトム・クルーズの個性とド派手な演出に頼る映画となってゆきます。まあ、これはこれである意味安心して見ることができるのですが。
出演:トム・クルーズ,ジョン・ヴォイト,エマニュエル・ベアール,ヘンリー・ツェーニー,ジャン・レノ,ヴィング・レイムス
監督:ブライアン・デ・パルマ 1996年
BOSS的には・・・★★★☆☆