2008.03.23

Movies

Chocolat 邦題:ショコラ

年に一度の恋人たちの聖なる日、バレンタインデー。この日、思いのたけをなぜチョコレートごときに託すの?もしや、チョコ会社に踊らされてるだけでは?とお思いの方、是非この映画をご覧あれ!ちなみにこれも、師匠ご推薦の映画です。

フランスの小さな村。そこは教条的な宗教と、古い因習を守ることで村人の結束を維持していました。村長のレノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)は、彼らを導く、いわば神でありルール。フランスなのに、冒頭の教会のシーンから、なんで英語なの?はさておき・・・。

そんな閉鎖的な村に、不思議な親子が引っ越してきます。チョコレート職人のヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と彼女の娘アヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)。彼女たちに店を賃借するのは、戦争で夫を亡くした娘との折り合いの悪い老女アルマンド(ジュディ・デンチ)。そしてヴィアンヌは、キリスト教の断食の時期である四旬節にチョコレートの店を開きます。

それまで、あたり前のように受け入れることしかしていなかった村人たちの生活に、少しずつ変化が起こり始めます。しかし、村人たちの自由や享楽への変化を嫌ったレノ伯爵は、彼女と徹底抗戦の構え。そして、ジプシーのルー(ジョニー・デップ)率いる一団が村の川にたどり着いた時、事件が勃発します。

この映画の主題は「チョコレート」であり、カカオの持つ不思議な力がテーマとなっています。しかし本当のテーマは、映画の中にも出てきた「人は何を拒み、何を否定するか」ではなく「何を許し、何を受け入れるか」という、まあ本来のイエスの業なのです。

いや、カカオも宗教もある意味、仮の姿でしかありませんから、甘い物嫌いの方も、無宗教の方も、ぜひぜひご覧になってください。

最後の最後の、エンディングのエンディングも、私の読みをきっぱり裏切ってくれて、してやられた!というか、完敗です!

主人公のヴィアンヌ演じるジュリエット・ビノシュ、どうもフランス臭さが鼻について、実は個人的にはあまり好きではなかったのですが、この映画でもちょっと神がかりなところが気にはなりましたが、なかなかよかったです。先日の「壊れかけた・・・」といい勝負かな?

これには他のキャスティングも功を奏していて、老女アルマンド演じる、そうかの007の「M」ことジュディ・デンチと、スパイダーマン2で悪さし放題だったドックのアルフレッド・モリーナ演じるレノ伯爵の、「古きものと新しきもの」「因習と情熱」とかの対比がすばらしいです。

夫の暴力から自立し、本来の自分、個としての自身を掴んでゆくジョゼフィーヌ(レナ・オリン)の変化と成長。マトリクスで愛に生きるかっちょえートリニティを演じたキャリー・アン・モスも、不器用な母親を素晴らしく演じてます。

そしてもちろんルーのジョニー・ディップもギター演奏を披露したりして、エキセントリックさが影を潜めたいい青年を演じてます。それにしても、ええ男ですなぁ〜。

原作のファンタジー性を薄めるこのようなキャスティングと脚本の妙、そしてちりばめられたリアリティや現実味の中で、この映画は人間愛を問うヒューマンドラマと呼んでもなんら差し支えないでしょう。

まあ、とにかく甘くほろ苦いチョコレート、一粒召し上がれ!?

ちなみに、ジョニー・ディップの「チョコレート工場」とは、何の関係もありません。あしからず!

出演:ジュリエット・ビノシュ,ジョニー・デップ,ジュディ・デンチ,レナ・オリン,アルフレッド・モリーナ,キャリー・アン・モス

監督:ラッセ・ハルストレム 2000年

BOSS的には・・・★★★★

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おすすめ平均:4.5
5ビバ!!CHOCOLAT
4ジュリエット・ビノシュがかわいい
5美味しいチョコレートが食べたくなりました

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