2008.03.04

今日の一休み

別れの時に George Gordon Byron

愛する乙女よ
君が残したくちづけを
私はとどめておくだろう
またよき日が来てこの贈り物を
混じりないまま君に返す時までは。

君があたえる愛に
かがよう別れの一瞥は
それにゆずらぬ愛のしるしを見るだろう
君のまぶたからこぼれ落ちる涙に
泣きつつも私の心は変わらない。

ただ一人
空を見つめる時のため
変わりない君の愛の誓いを求めはしない
君と同じ想いにあふれるこの胸に
ただひとつの形見をも私は乞わぬ。

この想いをのべるにも
書き送ろうとするのにも
あまりにも私の筆はか弱い
心のすべてを語りえぬかぎりは
ありふれた言葉の流れに
何の力があるだろうか。

昼も夜も
歓びにも悲しみにも
もはや自由を失っている心は
言い表しえぬ愛を抱きながら
君の為に黙しながら
ただ心痛もう。

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