2008.03.09
「オペラの流れる時間」
携帯やPCなどへの音楽ダウンロードの売上が、セル販売の売上を上回ったという昨今。時代の変化はここでも急激です。
音楽というものが、どんどん消費財化しています。もともと音楽は、演奏されるその場だけのものであって、そういう意味では究極の消費財であり、レコードやテープによって保存され、再演されること自体が本来的ではないという意見もありますが、さりとて常に最上級の演奏を生で聴けるはずもないですし・・・。
で、このような急激な音楽のデータ化による即物化・携帯性による日常化・一過性などの流れの一方で、「のだめ」効果によるクラシックファンの掘り起こしなど、ますます音楽シーンが多様化し、「年末=紅白」なんて単純な図式では語れなくなってきました。
ところで私は、あれこれさまざまな音楽が好きなのですが、JAZZとクラシックのファンというのは、やはり絶対的に少ない。少なくとも私の周りでは、絶滅危惧種ほどの方々しかいません。
クラシックにもさまざまなジャンルがあり、交響曲や協奏曲、各楽器のソナタや小編成演奏に歌曲などの歌物、宗教曲などなど。そして世の中には、さらに希少な「オペラファン」という方もいらっしゃいます。基本的にはシンフォニーと歌物が好きな方が多いのでしょうが、オペラとはある種芝居ですので、そういう物語好きというのも、オペラファンの要素の一つなのでしょうか?
まあ、高松あたりでもそこそこのオペラが来ると、そこそこ高い席も埋まりはするのですが・・・。
しかし長いです、オペラは。かつてはLD、今はDVDで楽しんでいますが、2時間とかあたり前。かのワグナーのニーベルングなんか、通しだと15時間というのは、以前もお話した通り。携帯電話ではちょっと厳しいし、ちょっとした時間で気軽に堪能できるものではありません。
だから、あわただしい生活の中ではついつい後回し、棚の奥に埋もれてしまうことになるのですが、人間ってそんなあわただしい生活ばかりを続けていたら、生物学的にちょっとおかしくなると思いませんか?のんびり、ちんたら。心臓の鼓動のリズムに合わせた自然に寄り添うような時間も持たなければいけないのでは?
先日このブログに投稿しましたが、「美しさ」を享受するにも受け取る側にもそれ相応の時間の経過、ちょっとした人生のシーンが必要です。自身と作者の魂や感性の交信といいますか、そういう以心伝心のやり取りに費やす時間。チキンラーメンでさえ、3分間必要なのですから。
といいつつも、やはり毎日のあわただしい生活の中では、60分程度のハイライト版のCDを通しで聞くのがやっと。だからせめて休日の、畑仕事や山仕事にない日には、のんびりとオペラ時間を過ごしたいものです。
いずれ少しずつ、ライブラリの中から、オペラについてもご紹介してゆきます。お楽しみに!(?)
で、今日はヴェルディのアイーダなどを・・・。ドミンゴのラミレスです。
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本当に"オペラ"と言える作品でしょう
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