2008.04.01
THE PURSUIT OF HAPPYNESS 邦題:幸せのちから
どん底に落ちた一人の人間の、成功への道のりを描いた実話ものです。それもホームレスから億万長者っていう、まあアメリカンドリームとでもいいましょうか・・・。しかも自著もベストセラーとか・・・。ただ、もちろんその成功は、並外れた努力とたくさんの犠牲の上に成り立っています。
1981年、サンフランシスコ。5歳の息子クリストファー(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)のことを何よりも大切にしている父クリス・ガードナー(ウィル・スミス)は、大儲けを目論んで大量に仕入れた骨密度を測る新型医療機器が全く売れない。家賃や税金を払えず、妻のリンダ(タンディ・ニュートン)も愛想をつかして家を出て行ってしまいます。
ある日、営業の途中でポルシェから降り立った男に成功の秘訣を尋ねた彼は、とある証券会社の研修コースに挑戦することを決めます。この後、物語がどう展開するかは見てのお楽しみなのですが、私的にはどうもぽんと落ちてゆかない違和感を感じました。
まずクリスが、息子のためにものすごい努力をするわけですが、それはどこの父親でも同じ。で、売れると勘違いして大量に仕入れちゃった医療器具。財産叩くんだったら、もう少し慎重さがいるでしょうね。でもって証券マンとして、人生を仕切りなおすわけですが、これとて彼だから出来たことで、また時代とか幸運とかもあると思うし、人間としての普遍性を感じません。
インディ・ジョーンズなどのヒーロー伝なら、普遍性などひとかけらも必要ないわけですが、身近な存在を題材にしているだけに、独自性だけだと「だからどうした」感が否めない。
ウィル・スミスのバッドボーイ風おちゃらけではないシリアスな演技を見れたということ、実の息子との演技はなかなかだと思いますが、登場人物、たとえば別れた奥さんなんかの心情描写はほとんどなく、屁みたいな存在に描かれてる。見ようによってはガードナーの単なる武勇伝にしか見えません。せめて最後に和解するとか・・・。ああ、現実にはそうならなかったので、仕方がないのかも。原作を読んでいない私が悪いのかも。
もちろん誰しも、幸せになりたいものです。でも、どんな不幸のどん底にいようとも、頂点を極めるだけが幸せだとは思えないのですが・・・。幸せは目的ではないと思うのです。
出演:ウィル・スミス,タンディ・ニュートン,ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス
監督:ガブリエル・ムッチーノ 2006年
BOSS的には・・・★☆☆☆☆
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