2008.07.28
空の写真館
音のない夏の日に
音のない夏の日に
忘れてはいけない思い出も
ささやかな取るに足らない約束も
季節に彩られた沢山の記憶も
見つめあい確かめ合ったあこがれも
何もかもが溶けてしまいそうな
痛いほどの夏の日に
全部消えてなくなってしまった
おなかが痛くなるほどの笑い声も
片方の頬だけで作った微笑みも
訳もわからず溢れた涙の泣き顔も
同じ速さで歩く真夜中の散歩も
何もかもが音も立てずに
空へと登ってゆくのだけれど
まぶしくて眼を細めても
すべてが音もなく
輝く太陽に焦がされて
夏の空に消えていった
音のない夏の日に
あんなに好きだった夏の日に