2008.08.28
I GIRASOLI/SUNFLOWER 邦題:ひまわり
またまた、古ーい映画です。マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレン!イタリアが誇る2大スター共演の反戦映画、というよりはヒューマンドラマ?
第2次世界大戦下のイタリア。貧しい暮らしの若い二人、電工のアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)とお針子のジョバンナ(ソフィア・ローレン)が出会い、恋に落ちます。
北アフリカ戦線に出兵が決まっていたアントニオは、結婚すれば12日間の休暇が取れることを悪用し、ジョバンナと挙式を上げ、熱い12日間を過ごします。その間、お互いの存在の真の大切さに気づいた二人は画策。兵役を免れようとアントニオが気が振れたと狂言をしますが見破られ、アントニオはより過酷なロシア戦線に送られます。
彼の無事と帰りをひたすら祈り、待ち続けるジョバンナと彼の母。しかし終戦から数年が経っても、アントニオは帰国せず、連絡もなく、消息も全くわからない。ある日、同じ部隊にいたという男から彼の消息を聞いたジョバンナは、貧しい暮らしの中からなけなしの所持金をはたいて、アントニオを探しに一人ロシアへと向かいます。
物悲しくも美しい丘一面の墓地や、群集で溢れかえるサッカースタジアムまで訪れ、死に物狂いでアントニオを捜し求める彼女は、ついに彼の住んでいるという一件の貧しい家を教えられます。
前半はテンポもよく、なんだかイタリアン・コミックの様相。途中から歯車はきしみ始め、時間の流れがスローモーションとなり、二人の心模様が、それはそれは緻密に描かれるようになります。このあたりになると、さすが2大スターの不朽の名作と言われる所以。すばらしい演技、すばらしい映画です。
イントロ、そして何度か劇中に出てくる、地平線までに及ぶ一面のひまわり畑。そして、ヘンリー・マンシーニの美しい主題歌。監督は、自身元俳優でもあるイタリアン・リアリズムの一翼を担ったヴィットリオ・デ・シーカ。
この映画は、70年代には反戦映画という位置づけでしたが、今見ると素晴らしいヒューマンドラマだと思います。
映画も絵画も小説も、人により見方によって、さまざまな取り方が出来ると思います。戦争は悲惨です。沢山の人が傷つき、沢山の人が沢山の人を傷つけます。しかし、人は時代を選べない。人は人生を選べない。せめて、生まれたその時代を、精一杯生きることしかできない。
愛とは残酷なもの、愛とは誰かを傷つけずにはおかないもの、愛とは人が逃れることの出来ないもの、愛とは人が生きてゆくためには必要なもの。私はこの映画を見て、そんなことも思いました。
終戦後63年。私たちは、彼らの悲劇の歴史の上に今、幸せに生きています。
出演:マルチェロ・マストロヤンニ,ソフィア・ローレン
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ 1970年
脚本 チェーザレ・ザヴァッティーニ,アントニオ・グエラ,ゲオルギ・ムディバニ
音楽 ヘンリー・マンシーニ
BOSS的には・・・★★★★★
おすすめ平均:
これほどの悲恋が他にあるか・・・?
チョー オススメ!!!!!!!
実際にこのような事が多々あったとのことです。
スバリ、名作、泣かせます
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