2008.08.14

Movies

世界の中心で、愛をさけぶ

はい、「セカチュー」ですが、何か?これって沢山の方が見られましたよね、多分・・・。「大和」ほどではないにしても、「UDON」よりは・・・(笑)。

まあ、今さらあらすじもないでしょうね。そういう映画です。(って、どういう映画じゃー!)いわゆる「通」の目から見れば、「ニュー・シネマパラダイス」の対極にあるような映画なのでしょうが、個人的には「不朽の名作」に限りなく近い扱いでございます。

ウォークマンとか昭和の時代がどうとか、そういう誤ったノスタルジーではないことは、「三丁目の夕日」を私自身が全く理解できないことからわかるわけですが、所詮個人的な評価をつけさせていただいておりますので、その点に関してはあらためてお断りしておきます。

若かりし頃を振り返り、もう一度あの頃に戻れたらと言う後悔とともに、あの頃はあの頃で精一杯生きてたということに対して悔いがないと言う自己矛盾。いまさらどうすることも出来ない過去は、またどうすることも出来ない精一杯さで生きていた。青春って、そういうものだと思うのです。

映画では、亜紀(長澤まさみ)を失ったサク(大沢たかお・森山未來)の喪失感がテーマになっています。この後、映画界では恋人を殺す映画が大流行りするわけですが、そうじゃないんです。わかりやすい喪失感は確かに死別ですが、恋愛に限らず、私たちが味わい苦汁をなめる喪失感は、そこら辺に日常にあたりまえにありきたりに転がっているのです。

そういう日常の出来事を、自然に映像化することの難しさ。この映画は、そういう意味でいい作品だと思うのです。

人が昔を思い出すとき、それは限りなく個人的なものです。それをすべて可視化しても、第3者を感動させることは難しく、また尾びれ背びれに不要なシーンのカットを要求されるでしょう。そうではなく、多くの人たちがもつ思い出を可視化し、1枚の銀幕がすべての観衆ひとりひとりの記憶のスクリーンへと戻ってゆく時、その映画は作品ではなく体験に変わってゆきます。

私にとってこの映画は、そういう「ひとつの体験」なのです。サクには決してなりたくない。でも・・・サクになりたかった・・・。

主演:大沢たかお,柴咲コウ,長澤まさみ,森山未來,山崎努

監督:行定勲 2004年

BOSS的には・・・★★★★

世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション

おすすめ平均:3.5
4純愛でいい
5映画ならではのよさ
2この作品の不幸はドラマ版の出来が良すぎたこと
1メディアの力
1正に感動安売りのクソ映画

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