2008.08.15
THE DEPARTED 邦題:ディパーテッド
2002年の香港映画「インファナル・アフェア」を、タクシー・ドライバーのマーティン・スコセッシがリメイク。レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン両優の熱演もさることながら、古巣に戻った感のジャック・ニコルソンの地で行くようなド迫力な演技だけでも、120%楽しめるクライム・ストーリー。
貧困と犯罪の渦巻くボストン南部の町。そこで生まれ育った警察官を目指す二人の男たち。犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと決別する為に警察官になったビリー(レオナルド・ディカプリオ)、そしてマフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)に育てられ、忠実なる密告者となるべく警察官となったコリン(マット・デイモン)。
二人は互いの存在を知らぬまま同じ警察学校で学び、それぞれ優秀な成績で卒業します。頭脳明晰なコリンは、マフィア撲滅の最前線へ配置され、ビリーはマフィアへの極秘潜入捜査を命じられます。
警察とマフィア、それぞれに潜入した「ネズミ」を取り巻く緊迫感溢れるシーンの連続。明晰な頭脳で薄氷を踏むコリンと、繊細さと強靭さの狭間で臨機応変に命の危機を乗り越えてゆくビリー。
そしてなによりも、コステロ演じるジャック・ニコルソンがシーンに登場するたびに張り詰める空気。なんというオーラでしょう!なんというテンションでしょう!彼が笑っても、手下も観客である我々も、誰一人として笑えない。恐いのではなく、緊張なのです。イカシテます、この存在感!
そしてスコセッシの刻むリズムとビート、結果としてのカメラワークとシーン展開。それに華を添えるストーンズやピンクフロイドの名曲にロイ・ブキャナンの泣きのギター。美しさの「インファナル・アフェア」か、ヘビー・ロックな「ディパーテッド」か。お好みで、どうぞ!
ロック少年の私的には、ジャック・ニコルソンを見てるだけでも十分なのですが、マーティン・シーンとかアレック・ボールドウィンなど大好きな脇役で固めたこの作品が、もちろんイチオシです。
出演:レオナルド・ディカプリオ,マット・デイモン,ジャック・ニコルソン,マーク・ウォールバーグ,マーティン・シーン,ヴェラ・ファミーガ,アレック・ボールドウィン,レイ・ウィンストン
監督:マーティン・スコセッシ 2006年
BOSS的には・・・★★★★☆