2008.09.20
WORKING GIRL 邦題:ワーキング・ガール
1980年代にブームとなったM&A(企業の合併・買収)を背景にしたサクセス・ストーリー。単なるロマンティック・コメディとしてだけ見てしまうと、ちょっとつまらないかも・・・。監督は「卒業」や最近では「クローサー」を撮ったマイク・ニコルズ。仕事と恋愛で最近悩んでいる貴女に。
マンハッタンのとある証券会社で働くテス(メラニー・グリフィス)。周りの証券マンは、ハーバードなどを出た男たち。学歴のない彼女が上を目指すことは不可能で、せいぜい結婚相手を見つけるか、日々の生活の為に働くかしかない。
女性アシスタントを情婦としか見ていない上司にシャンペンをぶっ掛けた彼女は、最後の職場として女性部長キャサリン(シガーニー・ウィーヴァー)の秘書を命じられます。
他のOLとは異なり、上を目指すテスは、親しく接するキャサリンに心を許し、通勤のフェリーの中で思いついたM&Aのアイデアを上申するのですが・・・
まず、冒頭のテスとシンシアのルックスに驚愕します。化学実験大失敗状態のヘアに、パンクルックのメイク。いえ、この頃ってこういうスタイルが流行ってたんです。
で、階段(彼女曰くはハシゴ)を1段1段昇るごとに、髪は短くなり、メイクや洋服は洗練されてゆく。テスはどんどん美しくなってゆきます。
シガーニー・ウィーヴァーの憎まれ役も名演です。特に、ベッドでジャックを待つシーンは最高!二人の掛け合いも最高ですが。
ハリソン・フォード、若いです。オフィスで徹夜し、ポットの水で脇を洗って脱いだシャツで拭き、クリーニングをシャツを着て、社員の女性たちから拍手が送るシーンが大好き。ソリッドな単細胞的な演技が、ぬめっとしたメラニー・グリフィスと相性抜群です。
で、鞄をなくしたといって書類をゴムで止めてきたテスに、ジャックがプレゼントするのが・・・
Schlesinger Flap Over Brief #SF115
そうです、私が愛用するNo.1 ブリーフケースなのです、ウッシッシ!
当時、この映画を見てシュレジンジャーを買ったニューヨーカーが大勢いたらしい。でも、日本ではそんなお馬鹿なやつは私ぐらい?確かニューヨークで$500くらいだったと思いましたが・・・。
この後彼女は、どこに行くにもこのブリーフケースを肌身離さず提げています。
恋をあきらめ、ビジネスパートナーに徹していた二人が、クライアントの社長の理解を得られた日、シュレジンジャーを床に投げ出して愛し合うシーンも、すっごくいいのです。わかります。
そして、この映画でグラミー賞(映画・テレビ主題歌賞)を受賞したのが、先日ご紹介したカーリー・サイモンでした。
ニューヨークの景色も一杯。オフィス風景は、今はなきワールド・トレードセンターで撮影され、マンハッタンの夜景も美しい。
サラリーマン時代と経営者になってから見るのでは、また感覚も違ってきますが、シュレジンジャーを下げて出かけるたびに思い出す、勇気をもらえる映画です。
出演:メラニー・グリフィス,シガーニー・ウィーヴァー,ハリソン・フォード,アレック・ボールドウィン,ジョーン・キューザック
監督:マイク・ニコルズ 1988年
BOSS的には・・・★★★★☆