2008.10.15
モーツァルト ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482(1785)
前回の23番K.488と前後してしまいました。今日の22番は、20番21番がセットで作られたように、かの488とセットで作られた楽曲。甘美で耽美的な23番と比べると、モーツアルトらしさはあるものの特に大きな特徴もなく、そういう意味では地味な曲です。
23番と同様に、オーボエの代わりにクラリネットが使用されています。またこの頃から、彼の演奏会の人気の低下も手伝って、この22番以降は彼のより内面を表現するような曲調に変わって行く、その最初の曲になります。
いかにもいかにも、モーツァルトでござ〜い!と言う感じでやはり始まる第一楽章は、がっしりとした対位法的な掛け合いで進んでゆきます。
第二楽章はハ短調、別人のような横顔には、涙さえ浮かんでいるよう。変ホ長調との間を行き来しながら、彼の心は深くナーバスに沈んでゆきます。単純であるがゆえ、芸術性ではなく音として心に沁みてきます。チェロとコントラバスは、2オクターブの向こう岸で響き合う。能天気だけではないモーツァルトがいます。
だがしかし、やはり彼は偉大でした。第3楽章になると、さきほどまでのメランコリックは影を潜め、やってくれます十八番。中間部は、なかなかどうして、ロマンティックな展開にもなりますが、実は私はこの十八番風味がどうもでして・・・。まあ、このあたりが天才の天才たる所以でもあるのでしょうが・・・。
今夜もまたまた内田さんのアルバム。やはりこの曲は23番とセットで聴きましょうね!とりあえず1枚目は、内田光子&ジェフリー・テイトで問題ないですよね!モーツァルトにして、モーツァルトです。(意味不明)