2008.10.30
モーツァルト ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491(1786)
最近、家にいるときは、ニュース番組以外の時間にはずっとかかっているモーツァルトのピアノ・コンチェルト。今日は、順番から言ってK491、第24番です。前回の23番からはや3ヶ月が経つのですねぇ〜?その間、何やってた?映画ばかり見てました、はい。で、今日は24番ハ短調です。
モーツァルトのピア・コン。彼は、習作も含めると生涯に30曲ほどの協奏曲を作りました。実はピアノ自体、彼の時代にようやく広まりつつあった新しい楽器であり、彼が最も好みまた親しみ、得意とした楽器でもありました。特に20番から最後の27番までの8曲のピア・コンは、後世のロマン派時代のピア・コンの形式を決定付けました。
ただ、彼自身はそういう目論見を持っていたわけではなく、前述のピアノに対する思い入れとともに、ウィーン時代に生活のための演奏会で、自らが演奏するためと言う、いわば生活のかかった作業でもあったわけです。
さて、24番です。実はこのピア・コンに至って、初めて木管全部が揃った大規模編成となり、特に木管楽器の扱いに関しては、彼の創作活動のひとつの極みに至っていると言っても過言ではないでしょう。20番K466ニ短調から久しぶりの短調のこの曲は、ベートーベンをいたく感嘆させ、彼にハ短調協奏曲作品37を書かせた動機になったとも言われています。
また、ハイドン時代にはないピアノとオケの対話ではなく、シンフォニーであるといったのは、かのアインシュタインでした。
短調らしい厳粛さがユニゾンで呈示される第一楽章第一主題。足元を確かめるように始まるピアノ独奏は、やがて木管と響き合います。実はこのあとの展開部のピアノがとってもお気に入り。技巧的なフレーズが管弦楽と重なり合いながら、徐々に緊張感を高めてゆきます。
お約束のロンド形式、オーボエとファゴットが対話する第二楽章は、独奏ピアノ対というより、木管楽器V.S.ピアノ・弦楽器と言う感じ。この辺もよりシンフォニー的といいますか、響きあいがココロに沁みます。
終楽章、第一楽章ほどの悲壮感も薄れた第一主題の変奏が、管弦楽、ピアノの速句、クラリネット、オーボエ展開されてゆきます。カデンツァをい経て、最後は印象的なコーダで終演を迎えます。
演奏は、やはりやはりの内田&テイト。彼女作のカデンツァも全身に響きます。ってか、現時点では彼女のものしか持っておりませんので、申し訳ありません、セクスィ〜部長っ!じゃなくて、W部長っ!
〔豆知識〕
彼の時代のピアノは、正確には現在私たちが触れるピアノではなく(モダンピアノ)、フォルテピアノと呼ばれており、革で覆われたハンマーをもち、その響きはモダンピアノよりも柔らかく、音の伸びはありません。黒鍵と白鍵の色が逆のものもあり、ドイツ語では「ハンマー・クラヴィーア」と呼ばれています。
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