BOSS's COLUMN

2008.10.31

AN OFFICER AND A GENTLEMAN　邦題：愛と青春の旅だち

海軍航空士官養成学校生の友情と恋を描いたラヴ・ドラマ(？）。おじさんとしては、青春映画とは言いたくないので・・・。でも皆さん、邦題に騙されてはいけない。原題はヒューマンドラマであることをほのめかしています。ｂｐさんのリクエスト(？）にお応えして・・・。

かつて留学したことのあるワシントン州シアトル。イチローも住んでるシアトル。１３歳の時に二人暮しの母が服毒自殺した主人公ザック・メイヨ(リチャード・ギア)。その頃、海軍兵曹の父はフィリピンで子供のような娼婦二人と暮らしていました。愛を知らず、愛を他人に依存できないまま、父の元で異国の空の下で成長した彼は、ある日父の侮蔑の言葉を背に家を出て、パイロットになるべくシアトルにある海軍の航空士官養成学校の門を叩きます。

そこは、あの「フルメタル・ジャッケット」前半と同様の、黒人軍曹フォーリー(ルイス・ゴセット・Jr)によるしごきの日々。１３週間を過ごす間に、彼らを、つまり未来のパイロットをお目当てに結婚相手を探す町の若い女性が押しかけてくる。中にはわざと妊娠して結婚を迫る者も。

同室の友人シド(デイヴィッド・キース)と市民との懇親パーティに出かけた彼は、地元の製紙工場の工員として働くポーラ(デブラ・ウィンガー)と出会います。そこで出来た二組のカップル、４人それぞれの思いと思惑、夢と現実が交錯します。

もう何度も見てますので、もちろんエンディングは知っているのですが、それでも最後にはついつい涙してしまいます。ですので「青春映画」ではなく「ヒューマンドラマ」と呼ばせていただきたい。フォーリーのしごきに耐えながら、あるいはさまざまな出来事を通して、次第に「愛」や「友情」、「信頼」と言うようなものを身につけてゆくザック。

そして無事卒業を迎えた彼は、その瞬間にしごき軍曹よりも上官の少尉になり、彼から逆に「サー」と呼ばれます。それは、かれが一人の「OFFICER」になったことを表しています。しかし、それまでの彼は、ポーラとの恋は所詮行きずりの恋であり、彼女は切り捨てるべきものだと思っていた。そんな彼がフォーリーに「君のことは忘れない」と継げた後、向かった先は・・・

そして彼は、一人の「GENTLEMAN」となるのです。パチパチ！

映画デビュー５年目のリチャード・ギアがとにかく若くてかっこよくて、でも引き返すところのない、前に向かって進むしかない切羽詰った感じをとてもうまく演じています。

一方のデブラ・ウィンガーは、名優と言うほどではないですが、TJの店でのザックとのやり取りのシーンは、目線がすごくいい。って、コアすぎ？彼女はその後、音楽を坂本教授が担当した、とんでも悲惨な映画「シェルタリング・スカイ」で見事な演技を見せてくれましたよね！

監督は、「レイ」でもご紹介したテイラー・ハックフォード。この手の映画は、なかなかいいんではないでしょうか？主題歌であるJoe Cocker＆Jennifer Warnesの「Up Where We Belong」もいいですよね！