2008.10.10
蒲田行進曲
時代劇のメッカ、京都撮影所を舞台に、スター俳優と取り巻きの大部屋俳優、スターに捨てられた女優の姿を第3のカメラで描いた、つかこうへいの同名小説の映画化。監督は、仁義なきシリーズの深作欣二。
映画「新撰組」の撮影がたけなわの京都撮影所。主役の土方歳三役を演じる銀次郎(風間杜夫)が颯爽と演技している。しかし坂本竜馬演じる橘(原田大二郎)との主役争いに一喜一憂しています。
銀ちゃんの取り巻きのなかに、一番弟子でいるのがヤス(平田満)。ある日銀次郎は、ヤスのぼろアパートを、彼女である女優の小夏(松坂慶子)を連れてやってきます。妊娠してしまった彼女とのスキャンダルを嫌った銀次郎は、彼女とおなかの子供をヤスに頼むと言って、婚姻届まで用意していました。
銀次郎への思慕を断ち切れない小夏に対し、金のないヤスは、彼女と子供の為にと危険な役をどんどん引き受け、体中傷だらけになりながら、彼女を大切にしようとします。
銀次郎の命令で一緒になるという自主性のないヤスに心を許さなかった小夏も、体を張って彼女の為に生きようとするヤスに、次第に心を開いてゆくようになります。
映画「新撰組」のクライマックス、池田屋のシーン。10m以上の高さに組まれた階段から、土方歳三に切られた土佐藩の浪士が転げ落ちるという設定。よくて半身不随、運が悪ければ命を落とすその役を、ヤスは引き受けます。
それは、愛する銀ちゃんのためであり、また映画人としての映画に対する死をも覚悟した愛でした。
「銀ちゃん、かっこい〜ぃ」って・・・
風間杜夫の銀ちゃんと平田満のヤスの演技が最高!馬鹿らしくて、愛らしくて、泣かせます。もちろん、つかこうへいのストーリー展開と脚本も最高!そして、それらの素晴らしさを、テンポよくまとめ上げた深作監督最高!
なんでも、あまり自身を褒めない監督が、この映画はよく出来たといったそうです。こんなどたばた喜劇で松坂慶子のオッパイを拝めるのも、深作作品の素晴らしさのうち!?
映画好きのための、映画のお話ということで、和製「ニューシネマパラダイス」かもしれませんが、私的にはこちらのほうが日本人として性にあっているというか、しっとりげらげら、すーっと入ってきて、思いっきり堪能できました。
つかこうへいは、この「蒲田行進曲」のほか、「熱海殺人事件」「あえてブス殺しの汚名をきて」「広島に原爆を落とす日」なども読みました。この手の作家としては、筒井康隆に次ぐファンです。
えーっと、邦画なんて馬鹿らしくて見てらんないよ!という、根っからの洋画ファンに!
出演:松坂慶子,風間杜夫,平田満,高見知佳,原田大二郎
監督:深作欣二 1982年
製作:角川春樹
BOSS的には・・・★★★★★
おすすめ平均:
傷つくことだけ上手になって。
平田満の本当に素晴らしい演技に感動!!!
好きです。
今もその面白さは色褪せない、最も普遍的に愛される角川映画の傑作
風間杜夫の「狂気」の熱演!コミカル人情劇の傑作。
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