2008.10.12

空の写真館

火をつけた 落ち葉の下の 思い出が 雲をてらして やがて消えゆく

コスモスの花咲く

小路の脇で

ぱちぱちと

小さな炎が

舞う

僕が撮った

あの日の君は

幸せそうに

笑っていた

君の笑顔を

切り取った

一枚の写真が

散ったばかりの

落ち葉の陰で

満月を過ぎた

月のように

ひっそりと欠けて

消えて行く

煙のせい

なみだ目の僕は

悲しみを一緒に

燃やすことも出来ず

君が消えて

行くのを

じっと

眺めていた

秋の夕暮れ

なみだ目の

僕は

いつまでも

そこに

立っていた

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