2008.10.16
Star Wars:Episode V - The Empire Strikes Back 邦題:スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲
一通のメールを受信したが為に、浅い眠りから目覚めたダース・ベイダーは・・・。いや、勢いでいきます、シリーズ第5作「帝国の逆襲」。前作「スター・ウォーズ」が空前の大ヒットとなったことに気をよくしただけでなく、ルーカス自らは制作総指揮に回り、ドキュメンタリー畑出身のアーヴィン・カーシュナーを監督に起用。SFXを駆使した質の高い戦闘シーンとともに、登場人物のリアリティにも踏み込んだ、本来は前作と完結編とのつなぎの1作。
「遠い昔、はるかかなたの銀河系で・・・」
「反乱軍にとって、試練の時だった。デス・スターを破壊されながらも、帝国軍は反乱軍を追いつめ、秘密基地からの撤退を余儀なくさせた。恐るべき帝国宇宙艦隊の追撃から逃れたルーク・スカイウォーカー率いる自由の戦士たちは、辺境の氷の惑星ホスに、新たな秘密基地を建設した。若きスカイウォーカーを探すことに執念を燃やすダース・ベイダーは、無数の探査ドロイドを銀河全域にくまなく放ったのだった・・・」
最新兵器デス・スターを破壊されたとはいえ、帝国の軍事力に少しの揺るぎもありませんでした。むしろその事件によって息子ルークの存在を知ったダース・ベイダーとシスは、ルークを自分たちの仲間に引き入れるべく、あの手この手を打ちます。
要はこの作品はそのプロセスを経て、いよいよ父と子がライト・セーバーで戦い、またルーク自身がダース・ベイダーの真実を知る物語なのです。
で、作品緒戦から反乱軍は帝国軍に負けっぱなしです。氷の星ホスの秘密基地は壊滅するわ、レイア姫はとっつかまるわ、C-3POはバラバラにされるわ、ハン・ソロは岩おこし状態になるわ。で、エンディング近くでは、ルークもダース・ベイダーとの一騎打ちに破れ、右腕を失います。
そういう終始押されっぱなしの展開ですので、見てるほうとしては「黄門様」とか「桃太郎侍」みたいに安心して見られない、はず。ところが、この辺の仕掛けがさすが。実は本作はこれまでのどの作品にもまして、「友情」がいたるところに溢れているのです。
前作よりしっかりと築かれたルークとハンの友情を初めとして、ルークとオビ・ワンの師弟愛、ランドとハン・ソロの間に芽生えた男の友情、一層深くなった(?)R2-D2とC-3POの友情に絡むチューバッカの3つ巴の友情、例外としてハン・ソロとレイアの間に芽生えた愛情・・・。
そしてなんと言っても、直接対決を向かえたルークとダース・ベイダーの間の親子の間を埋める親近と対立。ここには他のどのような感情をも寄せ付けない、熱くまた冷たい感情の交錯が描かれます。
ところで、ファルコン号を追跡してランドが執政官を務めるベスビンまで追跡した賞金稼ぎのボバ・フェットって、エピソード2でおとっつあんのジャンゴ・フェットを目の前で殺された息子だよねぇ〜。そういう怨み節的脚本が全くなくて、単にジャバ・ザ・ハットから賞金を得たいだけの立ち回りは解せない。ルーカスも、この時点ではまさかエピソード1〜3を出すとは思っても見なかったってこと?
いずれにしても、ハリウッド映画らしくない尻切れトンボなエンディングは、ルーカスの計画的犯行。これを見て、次の最終章を見なかった人は、いないはず。前作とは違って、これでは完結させんぞ!の意気込み溢れた本作を経て、はてさて彼らと銀河宇宙の運命やいかに・・・。
1980年第53回アカデミー音響賞、特別業績賞(視覚効果)受賞。
出演:マーク・ハミル,ハリソン・フォード,キャリー・フィッシャー,ビリー・ディー・ウィリアムス,アンソニー・ダニエルズ
監督:アーヴィン・カーシュナー
製作:ゲイリー・カーツ
製作総指揮:ジョージ・ルーカス 1980年
BOSS的には・・・★★★★★
おすすめ平均:
シリーズ最高傑作
本当の名作は続編も優れている
初公開時「『スター・ウォーズ』に“続編”!」という驚きがあった
勧善懲悪を越えた
ルークとレイアの関係。。
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