2008.10.04
THE GODFATHER Part3 邦題:ゴッドファーザーPARTIII
夢を抱いてシチリアからアメリカに渡った父ビトーと、彼からマフィアのファミリーを継承した息子マイケルの半世紀にわたる「ゴッドファーザー」シリーズの完結編。暗黒街のマフィアから足を洗い、家族のためにまっとうな組織にしようと奮闘するマイケル(アル・パチーノ)の前に立ちふさがる障害と苦悩を描きます。
マイケルが父ビトーからファミリーを継承し、ドンとなってはや20年がたちました。麻薬に手を染めず、ラスベガスのカジノも手渡した彼は、バチカンの大司教ギルディ(ドナル・ドネリー)と手を結び、ファミリーの永続的な繁栄を固めようと画策します。
マイケルがカトリック教会から叙勲を受けることになり、そのパーティの席にかつての妻ケイ(ダイアン・キートン)、妹コニー(タリア・シャイア)、彼女が連れてきた無き兄ソニーの息子ヴィンセント(アンディ・ガルシア)、そして父が実の兄を殺したことを知り、父に反目してオペラ歌手を目指す息子アンソニー(フランク・ダンブロージョ)の姿がありました。
またこの会場で、娘のメリー(ソフィア・コッポラ)は従兄弟になるヴィンセントに惹かれてゆきます。
そして、足を洗うために手放したカジノの利権をめぐって、ジョーイ・ザザ(ジョー・マンティーニャ)との対立が次第に表面化してゆきます。
一切の暴力や非合法行為を避けるべきなのか、家族を、ファミリーを守るために、暴力に頼るべきなのか。マイケルは病に犯された、老いた体に鞭打って、家族を守るために懸命に立ち振る舞うのですが・・・。
皆さんもご存知の通り、前作・前々作は連続でアカデミー賞を受賞しました。しかし本作は残念ながら受賞しませんでした。それはこれまでの作品に比べて、コルリオーネ家のいわばお家騒動が中心になって展開されたため、どうしても展開が小ぶりとなってしまい、またマフィア行為(?)が少なくなったため、どたばたした動きも少なくなったからでしょうか。
しかし逆にその分、登場人物の心理描写は深くなっており、特にマイケルの兄を殺したという拭い去れない苦悩と葛藤は、素晴らしく表現されています。マイケルがそのことを懺悔するシーンや、エンディング近くの叫ぶシーンは、本当に見事といいますか、さすがアル・パチーノです。だれかれ真似の出来る代物ではありません。
今回は音楽がコッポラの父親カーマイン・コッポラになり、また後半はアンソニーが出演するオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が延々流れるなど、これまでとちょっと雰囲気も異なっています。ちょっとオペラ風味といいますか・・・
またこれまで子役で登場し、「マリー・アントワネット(2006年)」などの監督を手がけた娘のソフィア・コッポラがメリー役で出てましたが、演技的にはどうなの?って感じで、まだまだ慣れないアンディ・ガルシアとのタッグが、やはりネガティブだったような気がします。ただ、やはり主人公はマイケルですから、かつてのアルのようなキャラを出してもこれないしねぇ〜。
いずれにしても、超大作の完結編です。完結します。簡単に何百億円も寄付できるような身分でもないし、マフィアでもないですから、まったく自身の生活とはリンクすることはないと思うのですが、どこかしらマイケルの目指したものに、相通ずる思いを描き、彼の苦悩を分かち合おうとするのは、愚かな男心(子供心?)なのでしょうか?
1、2と見られた方は、是非この作品で、家族愛を完結させてください。
出演:アル・パチー,ダイアン・キートン,タリア・シャイ,アンディ・ガルシア,イーライ・ウォラック,ジョー・マンティーニャ,ジョージ・ハミルトン,ブリジット・フォンダ,ソフィア・コッポラ,フランク・ダンブロージョ,ドナル・ドネリー
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:マリオ・プーゾ,フランシス・フォード・コッポラ
音楽:カーマイン・コッポラ
BOSS的には・・・★★★★☆
おすすめ平均:
これはオペラ。
『ゴッドファーザー組・同窓会』(トム・ハーゲン欠席)
期待はずれ。「2」で終わらせるべきだった。
空前絶後の名作です
一大叙事詩のフィナーレ
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