2008.10.19
The Spy who Loved Me 邦題:007 / 私を愛したスパイ
007というと、皆さんは誰をイメージされますか?ショーン・コネリー?ロジャー・ムーア?ピアース・ブロスナン?最近ファンになった方だと、ダニエル・クレイグなんて方もいらっしゃるかな?
で、私的にはピアース・ブロスナンなんですが、このシリーズを始めて見たのは実はロジャー・ムーアの3作目、ボンドシリーズ10作目の「私を愛したスパイ」でした。お目当てはボンドでもボンド・ガールでも、エロティックなイントロでもなく、真っ白なロータス・エスプリだったのですが・・・。
地中海を航行中のイギリス原潜が姿を消します。ボンドはアラビアのロレンスのパロディのようにエジプトへ。バックではパロった音楽も流れます。同じ頃、ロシア原潜も行方不明になり、KGBの美人スパイ、アニヤ(バーバラ・バック)がその探索を命じられます。
今回の敵は、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番第二楽章をこよなく愛するらしい海洋学者のカール(クルト・ユルゲンス)と手下のジョーズ((リチャード・キール)、そしてボデコンなナオミ(キャロライン・マンロー)。この作品より2年ほど前に、スピルバーグのジョーズが公開ってことは、これもパロディです
いやーあらためて見てみると、今は懐かしいスパイ映画ですよね!もちろん、コネリーの頃の古典的スパイ像とはまた異なるわけですが・・・。ハイテクも大阪万博7年後ですし。ボンドの腕時計からテープで指令が出てくるのには、思わず笑ってしまいます。
SFXは使用しているものの、今時の特撮レベルから言えば稚拙です。でも、それを補って余りあるカメラワークや演技は、逆に今時では見習うべきことではないでしょうか?有名な、凝った舞台セットも、アートです、素晴らしいです。
今回の音楽はマーヴィン・ハムリッシュ、主題歌は当時売り出し中のカーリー・サイモンです。
007といえば、やはりお目当てのひとつはボンド・ガール。今回はアメリカ生まれのユダヤ系女優バーバラ・バック。イタリアで実業家と結婚、離婚後アメリカに戻って本作で話題となり、かのリンゴ・スターと再婚したという経歴の持ち主。個人的には、どうもサンダーバードを見ているようで・・・。
で、もうひとつのお目当てのボンドカー。ボンドカーは英国車というのがセオリーなのは皆さんご存知の通り。今回のエスプリは、1975年にロータス社がロータス・ヨーロッパの後継として世に出したスポーツカー。2000ccツインカム4気等エンジンは、シャーシーや当時のタイヤ性能とのバランスはよかったのですが、1980年にはターボが搭載されます。
ちなみに愛用の銃はPPK、腕時計はセイコーデジタルでした。
地中海、エジプト、真っ白のエスプリ。美しく懐かしく、相変わらずコミカルな娯楽アクション映画です。
出演:ロジャー・ムーア,バーバラ・バック,クルト・ユルゲンス,リチャード・キール,キャロライン・マンロー
監督:ルイス・ギルバート 1977年
製作:アルバート・R・ブロッコリ
原作:イアン・フレミング
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ
主題曲:カーリー・サイモン
BOSS的には・・・★★★★☆