2008.11.12
いつわりの瞳 - LYIN' EYES
都会育ちの娘はいともたやすく
微笑みひとつで誰の心にも入り込む
金持ちの老人がいさえすれば
彼女はもう何も心配することはない
レースで着飾り流行のスタイルで暮らせる
でも夜が更けると大きく古い屋敷はとても寂しい
どんな隠れ家にもそれなりの犠牲があって
彼女は自分の愛する人が
たったひとりしかいないことを思い知る
氷のように冷たい手をした男しかいないことを
それで彼女は夜になって
出かけなくちゃならないと夫に告げる
落ち込んでいる昔の友だちを慰めるためにと
だが夫は彼女がどこに行くのか知っている
彼女の行く先は街の反対側なのだと
瞳は嘘を隠せない
その微笑みは薄っぺらい仮面
もう君にはわかっているはず
偽りの瞳を隠す方法などないことを
そこにはひとりの青年が待っている
誰も奪えない炎のような瞳と夢を持つ青年が
彼女は胸躍らせながら車を走らせる
昔の彼女へと引き戻してくれるから
彼女は彼の腕のなかに飛び込み、二人は愛し合う
彼女はささやく
「今はわずかな時間しか一緒にいられない」
そして彼女は誓う
「でもすぐにずっと一緒にいられるようになるわ」
彼女は身を離し、微笑みながら彼のもとを去る
瞳は嘘を隠せない
その微笑みは薄っぺらい仮面
もう君にはわかっているはず
偽りの瞳を隠す方法などないことを
彼女は起き出して強い酒をあおる
そして夜空の星たちを見つめる
また今夜も長い夜になると思うと
シェードを下ろして泣き始める
どうしてこんなことになったのだろう
学生時代の男友達のことを考える
彼女は疲れてしまったのか
それとも怠惰になったのか
こんなに遠くまで来てしまった自分が
とても愚かに思える
もっと確かな生き方を知っているはず
もっと上手にもっと用心深くやってこれたはず
新しい生活の中で違う人間になれなかったのは
昔と変わらないただの女の子だから
瞳は嘘を隠せない
その微笑みは薄っぺらい仮面
もう君にはわかっているはず
偽りの瞳を隠す方法などないことを
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