2008.11.21
ジャコモ・プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」
先日、香川県出身のディーバ、林康子さん演じる「蝶々夫人」をみる機会があったので、今日はこのオペラについて。
クラシックやオペラに詳しくない人でも、「蝶々夫人」という演目名はご存知の方も多いのでは?かくいう私が、オペラにはまり込んだ(?)のは、この演目、というか、あとでご紹介するフレーニ&パヴァロッティ&カラヤンWFを聞いてからでした。
3大テノールというのが流行りました。ドミンゴ&カレーラス&パヴァロッティ。一方、彼らの演じる3大オペラとは、一般的に「椿姫」「カルメン」「蝶々夫人」と言われています。「蝶々夫人」はプッチーニが「ラ・ボエーム」「トスカ」とヒット作を世に出した後の、いわゆるご当地三部作の最初です。(以降、「西部の娘(アメリカ)」「トゥーランドット(中国)」)
その昔、某国営放送の土曜連続ドラマ「カンパニー」の中で効果的に使われていたのがこのオペラでした。椎名桔平、生瀬勝久、森口瑤子。オペラ狂の生瀬勝久演じる参謀役が、未公開株を巡る犯罪に手を出し、捜査の手が迫ります。
学生時代に付き合っていた生瀬と森口。蝶々夫人の流れる彼女の部屋に、彼から電話がかかってきます。「蝶々夫人とオケを言い当てたら、僕は捕まりはしない。」電話の向こうでこう言って、「フレーニ、カラヤン、そしてベルリンフィル・・・」と彼は告げます。青ざめる彼女。実は正解は、「ウィーンフィル」なのです。
「蝶々夫人のように、あなたのことを待っています。」という森口の言葉で、ドラマは結ばれます。
そのドラマにも登場した、フレーニ&パヴァロッティ&カラヤン版。何がそんなにいいのかって、まずは15歳で嫁いできたういういしい蝶々さん、そして待つこと3年、寂しさや貧しさに耐えることで次第にやつれてゆく彼女、ピンカートンの帰りを知ったつかの間の喜び、そして翌日彼女を襲った絶望。それをフレーニが見事に歌い分け、カラヤン&ウィーンフィルが大和撫子の喜怒哀楽をしっかりとサポートします。
一方の「やりっぱなしピンカートン」はやっぱりパバロッティでしょう。(爆)あとの彼のはまり役は、ロドルフォ(ラ・ボエーム)とマントヴァ公爵(リゴレット)。ドミンゴはカラフ(トゥーランドット)かアルフレード(椿姫)、カレーラスはなんといってもホセ(カルメン)でしょうねぇ。
なんだか話が全然違う方向に進んでしまいました。さて、オペラでは特に美しい旋律を独唱で歌う部分がいくつかあるのが通例で、これを「アリア」と呼びます。有名なアリアの名演熱唱のあとは、きまって舞台も演奏もフリーズ、観衆は拍手を贈ります。
このオペラで有名なのは第2幕で、本国に帰ってしまった無責任なピンカートンを一途に待つ蝶々さんが歌う「ある晴れた日に」。伝説のソプラノ歌手マリア・カラスもこの曲を十八番にしていました。
また、蝶々さんが嫁いできた夜、彼女とまだ真摯なピンカートンの「夕やみが訪れてきた」、それに続く「かわいがってくださいね」も、愛を交わす二人を見事に表現した美しい旋律とハーモニーの二重唱です。
物語はご存知の通り、悲劇で幕を閉じるわけで、涙もろいオジサンは、エンディングではついついウルウルしてしまうのですが、手元にある同じくフレーニ&ドミンゴ&カラヤン&WFのDVDは、涙より笑いを誘ってしまって・・・。
前述の組み合わせの映像はないんでしょうなぁ〜。
とにもかくにも、オペラ入門の作品としてCDで聞くだけでもお勧めいたします。2時間が長い方には、ハイライト版で!
おすすめ平均:
ポネル演出炸裂!
あまりにも日本を知らなさすぎる演出が残念。
幻の国のファンタジー
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