2008.11.17
BROKEBACK MOUNTAIN 邦題:ブロークバック・マウンテン
美しく壮大なカナディアン・ロッキーを舞台に、男同士の同性愛を描いた問題作にして話題作。
時はベトナム戦争前夜の1963年、舞台はワイオミング州ブローバック・マウンテン。ロッキー山脈の南端に当たります。壮大であまりにも美しく、また生きるものに厳しい大自然の中で、羊番の仕事のために山にこもった20歳の2人の青年、イニス・デル・マー(ヒース・レジャー)とジャク・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)。ある夜、二人は凍えるテントの中で激しく愛し合ってしまいます。
同性愛というのは古くから存在しており、特に男性同士の愛の歴史というのは、古代ローマ時代に遡るようです。しかしそれは、生物としての種族保存をもたらさないと言う意味で、アダムとイブよりも禁断であり、キリスト教的には原罪以前なのかもしれません。
俗称「カウボーイ・ステーツ」と呼ばれる、放牧と西部劇の国ワイオミング。そこは馬で駆け、牛や羊を追い、大自然に包まれ星の下で眠るカウボーイたちの「楽園」です。人と動物が生かされている、この世のものとは思われないほど美しく、宇宙に等しいほど壮大な大自然という神の国でもあります。
ひと夏の恋の後、それぞれの家庭を持ち、別々の社会生活を営む彼らは、はやりお互いのことが忘れられず、二人の神の国、二人の楽園に出かけては愛を確かめ合う月日が流れます。
とにかく映像が美しいです。実際のロケはカナダの北部ロッキー山脈で行われたそうですが、最近ワイオミングへの旅行客が増えているそうで、州当局もロケ誘致の活動に精力的とか・・・。どっかの町みたいな話ですが・・・。
個人的には彼らの行動は安易に理解できるとは言えませんが、四半世紀近く守られ続けた秘められた愛は、人として大切なものはなんなのか、守るべきものはなんなのか、いわゆる人生をかけた愛の尊さを考えさせられます。
ただ、罪であるがゆえに意味があったり価値があったりすることには同感できなくて、これが普通の男女の恋愛だったら、ここまで話題にもならなかったのではと思うと、素晴らしい演技以前に同性愛に対する個人的嫌悪感や稚拙な恋愛に生涯を託した青年の愚かさを感じずにはいられません。
2006年度アカデミー賞(監督賞・脚色賞・オリジナル音楽賞)その他多数受賞。
出演:ヒース・レジャー.ジェイク・ギレンホール,ミシェル・ウィリアムズ,アン・ハサウェイ,ランディ・クエイド,リンダ・カーデリーニ,アンナ・ファリス
監督:アン・リー 2005年
原作:アニー・プルー
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
BOSS的には・・・★★★☆☆
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