2008.11.17
Good Morning Vietnam 邦題:グッドモーニング・ベトナム
ベトナム戦争を、現地の米軍向け放送のDJを通して描いたヒューマンドラマ・タッチの戦争映画。
以前にも書きましたが、最近の若い方にはご存じない方も多いと思われる「ベトナム戦争」、そして「60年代」という時代。でも映画ファンなら是非、この戦争とこの時代にどんなことがあったのか、ちょっと調べてみてください。沢山の映画が、ぐっと身近になるはずです。
1964年のトンキン湾事件を発端に、アメリカは本格的にベトナムに介入し、翌1965年には北爆と海兵隊の投入を開始、一方サイゴン市内では無差別テロが一気に拡大します。
物語はちょうどこの頃に、サイゴンに派遣された空軍のDJ、エイドリアン・クロンナウアー(ロビン・ウィリアムズ)が、ただのアメリカ人からベトナムや東洋を理解しようと努力するアメリカ人に、そして結局は国家の偽善の前に崩れ去る個人の思いを抱いてこの地を去る5ヶ月間が描かれています。
「グッドモーニング・ベトナム!」の叫び声で始まる、1日2回の彼の番組。規則無視のハイテンションで型破りな放送が、実際許されていたのかどうかは定かではありませんが、ギャグ・ジョーク・皮肉・モノマネ満載のDJトークは、時の大統領さえもこき下ろします。
次第に緊張が高まる兵士たちの間では大人気。それまでのマント・バーニーやポルカではない、ジェームス・ブラウンやビーチ・ボーイズ、サッチモやロックンロールは、本国の田舎から召集された若い兵士たちの緊張を癒します。
ロビン・ウィリアムスのぶっ飛びDJがとにかく最高です。周りを固める助演男優も名優ぞろい。イーストウッド監督作「バード」でパーカーを熱演してカンヌ国際映画祭の男優賞を受賞したフォレスト・ウィテカーや、「恋人たちの予感」のブルーノ・カービー、そして大好きなJ・T・ウォルシュも彼らしいはまり役です。
最近でこそ、この手の戦争をテーマにした映画が増えてきましたが、当時では珍しくあからさまな反戦も戦争美化も謳いはしない戦争映画です。しかし、結局のところやはり戦争とは空しいものであり、またかの戦争が大国の価値観や一方的な善を押し付けただけの偽善であったことを、この映画は軽やかに批判します。
初めての黒人大統領を選んだ合衆国アメリカ。彼らは歴史に学び、目の前の人から、そして地球の反対側の一人一人まで、まずは相手を理解することから始めることが出来るでしょうか?それは、島国として閉鎖され、他のアジア民族に対する選民意識を持ちやすい私たち日本人にも言えることではないでしょうか?
「愛はすべてを超える」ことが出来ますが、「違いは愛でも乗り越えられない」こともあるのです。私が彼なら、きっと無理やりトリンを本国に連れて行き、彼女に大変な苦労をかけたに違いありません。まだまだ、学ばなければならないことがたくさんありそうです。
出演:ロビン・ウィリアムズ,フォレスト・ウィテカー,トゥング・タン・トラン,チンタラ・スカパタナ,ブルーノ・カービー,J・T・ウォルシュ
監督:バリー・レヴィンソン 1987年
BOSS的には・・・★★★★☆
おすすめ平均:
こういう映画を作れるところがアメリカの懐の深さだと思う。
グ???ッド モーニン ベトナム : ぜひ見てほしい ^^
史上最高の反戦映画
ベトナムに行きたくなってくる
この人って歳とりませんね
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