2008.11.10
「私の血は・・・」
一般的に教養のある、あるいは高尚な音楽と言えば「クラシック」。一方、人を堕落に導く、子供の音楽が「ロック」。歴史や伝統に背を向けたアバンギャルドな大人の音楽は「JAZZ」。で、全部好きな私は、一体何者?「日本人なら、何が何でも演歌!」は聞きませんが・・・。
夕べ、何を聴きながら眠りにつこうかと迷ったあげくに選んだのは、イーグルスの4作目のアルバム「呪われた夜」(One Of These Nights)。そんなうるさいの聴きながら眠れるの?眠れるんですよ、これが・・・。うるさいと、他ごとを考える余地が生まれませんから・・・ ^_^;
で、これは1975年発表、彼らが始めて全米一位を獲得した、記念すべきアルバムであり、独特のジャケットは輸入版のほうが色が綺麗だと、秋葉原の「ディスク・ユニオン」でLPを買いました。
イーグルスはそもそも、リンダ・ロンシュタットのバックバンドだった、グレン・フライ(vo, cho, g, key)、ドン・ヘンリー(vo, cho, ds)、ランディー・マイズナー(vo, cho, b)、バーニー・リードン(vo, cho, g, banjo, steel guitar, mandolin)の4人で立ち上げたバンド。そう、4人とも歌って踊れる、いや演奏しながら歌えるので、カントリーテイストとともに独特のハーモニーが彼らの特徴だったのです。
前作の「オン・ザ・ボーダー」から、新たに「大して歌えないけどギターのめちゃうまい」ドン・フェルダーを加えた彼らは、カントリーロックからハードロック、ファンキーロックへと軌道修正を行います。で、もともとバンジョーやスティールギター、マンドリンが得意なマイズナーは面白くない。結局彼は、このアルバムを最後に、バンドを去ります。
一方で頭角を現してきたのは、それまでのJ.D.サウザーやジャクソン・ブラウンといったライターではなく、バンドメンバーのフライ&ヘンリー。そしてファンキーなサウンドのランディ・マイズナー。
特に全9曲の中でも異色の1曲目「ONE OF THESE NIGHTS」の独特のベースラインは、彼の存在あってのもの。また彼は、3枚目のシングルカット「TAKE IT TO THE LIMIT」のエンディングでも、見事なファルセットヴォイスを聞かせてくれます。
この後、ジョー・ウォルシュを加えた彼らは、ついにあの「ホテル・カリフォルニア」に向かって、突き進んでゆくことになります。しかしそれは、イーグルスというバンドのアイデンティティの完全な燃焼、つまり終焉でもあったのです。
まあ、とにかく「イーグルス」だし「ロック」です。でも、このアルバムをヘッドフォンとかで一音一音しっかり聞いてみれば、そこにはバックハウスのピアノにも負けない、ウィーン・フィルの響きにも負けない必然性を伴った自然を感じます。この音色、このフレーズ、このタイミングでしかこの世に存在できなかった必然の音楽。
「ホテル・カリフォルニア」よりもこのアルバムの方が、イーグルスらしい・・・なんて言うと、ネガティブに聞こえるかもしれませんが、ホテルしか聞いたことのない方は、是非聞いてみてください。
クラシックもJAZZもいいけど、ロックも・・・いいよ!
おすすめ平均:
ホテル・カリフォルニアで頂点を極める一歩手前の傑作
イーグルスとしては佳作でしょう
イーグルスとしては佳作
クオリテイ的には既に飽和点とも言える名曲集
クオリテイ的には既に飽和点とも言える名曲集
Amazon.co.jpで見る by Azmix
ついでに、リンダ姉貴もご紹介!