2008.11.24

Movies

Rear Window 邦題:裏窓

ヒッチコック製作監督のスリラー代表作のひとつ。というよりも、久しぶりにグレース・ケリーが見たくなって・・・。

雑誌社のカメラマン、ジェフ(ジェームズ・ステュワート)は自動車レースの取材中に足を骨折。NYのダウンタウンにあるアパートで、ギブスが取れるのを待つ日々。一日中することもなく、彼は中庭に面したアパートの窓から見える住民の観察をする日々を送っていました。

ある日、お向かいの病気で寝たきりの妻の姿が見えなくなったことに気づき、夫であるサラリーマンを疑い、その行動を監視し始めます。

ジェフの恋人リザ(グレイス・ケリー)はファッション業界に身をおく、リッチで美しい女性。彼との結婚を望んでいますが、カメラを提げて世界中を飛び回りたいジェフは気が進まない。

そんな彼女や看護婦のステラ(セルマ・リッター)も、始めは彼のたわごとだと思い、彼の覗き趣味的な行動を非難していましたが、ある日を境に逆に彼の手となり足となって、隣人の失踪疑惑の渦中に巻き込まれてゆきます。

今どきのスリラー映画のように、四六時中ハラハラドキドキはしません。この辺がイギリス出身のヒッチコックの所以でしょうか?途中なんか、「もういいやん、ジェフ」とまで思ってしまうのですが、最後はきちんと「ファイナル・サプライズ」が用意されているし、ドラマとしての細かい気遣いもあちらこちらにちりばめられています。

なんと言ってもこの映画は、かのモナコ王妃グレース・ケリーを堪能する映画です。(個人的には・・・)とにかく美しい。同時代のセクシーなヤンキー娘モンローに対して「クールビューティー」と称されたその美貌は、芝居の上手下手など気にせずうっとりと見とれてしまいます。いやいや、彼女はれっきとしたアカデミー女優です。

一方の主演のジェームス・スチュアートは、プリンストン大学で建築学を学んだ異色の俳優。落ち着いた雰囲気と役柄の誠実な印象から、「アメリカの良心」とも呼ばれていました。ただ今回の裏窓から隣人を覗く毎日は、そうは言えないかもしれませんね。もちろん彼も、アカデミー俳優です。

ヒッチコック映画で有名な、監督の登場シーンは、リザの台詞で印象付けられる隣のアパート最上階の売れない作曲家の部屋。ピアノの横で時計のネジを巻いています。

カメラ自体は基本的に、最初から最後までジェフの部屋に設置したまま。それでもこれだけの展開を味わえるのは、何作かの佳作ののちの、ヒッチコック苦心の成功作。スリラー古典として、ヒッチコック入門として。もちろん、グレース・ケリー堪能映画としても。

出演:ジェームズ・スチュアート,グレイス・ケリー,ウェンデル・コーリー,セルマ・リッター,レイモンド・バー

監督:アルフレッド・ヒッチコック 1954年

BOSS的には・・・★★★☆☆

裏窓

おすすめ平均:4.5
5基本的生活必需品
5ヒッチコック作品の中で一番好き
5のぞきという概念から出た物語
4映像の魔術師か、職人芸か、脅威の映像。
3他の作品に比べると・・・

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