2008.11.18

Movies

THE DEER HUNTER 邦題:ディア・ハンター

なんだか、ベトナム戦争物が続いています。意図したわけではないのですが・・・

ベトナム戦争に赴いたソビエト系アメリカ人の若者とその友人たちの友情の行方、戦場で受けた彼らの深い心の傷を描いた、ヒューマンドラマ。

舞台は、ペンシルバニア州ピッツバーグ近郊。ピッツバーグと言えば製鉄の町。ここに住むソビエト移民の息子たちは、製鉄所で荒々しい仕事の日々を忘れる為に飲み明かし、休日には山に出かけて鹿狩りをしていました。

一方、戦局が悪化した60年代後半、ベトナムには沢山の若者が駆り出され、マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーブン(ジョン・サヴェージ)の3人が戦地に赴くことになり、壮行会とスティーブンの結婚式が行われます。

長い映画です。3時間あります。前半はあまり目にすることのないロシア正教会による挙式や、出兵前の最後の狩、酔っ払って彼らが暴れ回るシーンが続き、ちょっとだるい感じ。ただ、舞台が戦争末期のベトナムに移ったとたん、壮絶な心理描写映像に切り替わります。

ここでキーワードとなるのが「ロシアンルーレット」。あの回転式拳銃に弾を1発だけ込め、ジャリっと回してこめかみにあてて引き金を弾く、あの恐ろしきギャンブルです。通常6連発ですから、死ぬ確立は17%ほどにもなります。

映画のイントロで流れるギターの音色が美しいテーマ音楽「カヴァティーナ」は、スタンリー・マイヤーズの作品。物語の折々には、ロシア民謡が流れます。主人公たちが、ベトナムで反米に加担している共産圏であることをしっかりと理解しておく必要があります。

ロバート・デ・ニーロ、若いです。クリストファー・ウォーケンも若いです。そして映画デビュー2作目のメリル・ストリープも若いです。この頃から、彼女はロシアなまりの不器用な会話を実践して、役作りをしっかりしてます!さすがです。

この映画で彼女が知り合い、婚約したジョン・カザール。そう、あのゴッド・ファーザーでドン・コルレオーネの次男フレドを演じた彼は、この映画の収録直後に骨腫瘍により42歳で死去します。

スターリンから逃れ、自由の国アメリカにやってきた彼らの父母。アメリカ人として生きながらも、宗教も習慣も北の大地ロシアを血にした彼らが、アメリカと母国との間接的な戦争という時代に傷つき翻弄されながらも、友情を紡いでゆく姿、じーんとしてしまいます。

エンディング、傷ついた彼らがつぶやくように「ゴッド・ブレス・アメリカ」を歌います。アメリカ人であることに誇りを持って・・・。

アメリカに主の祝福あれ 我が愛する国よ
アメリカを守り 導きたもう
夜通し降り注ぎし 天上の御光

山々を越え 平野を渡り 泡立つ海原へと
アメリカに主の祝福あれ
我が愛しの祖国よ

51回アカデミー賞並びに第44回ニューヨーク批評家協会賞作品賞受賞作品。

出演:ロバート・デ・ニーロ,クリストファー・ウォーケン,ジョン・サヴェージ,ジョン・カザール,メリル・ストリープ,ジョージ・ズンザ,チャック・アスペグレン,シャーリー・ストーラー,ルターニャ・アルダ

監督:マイケル・チミノ 1978年

音楽:スタンリー・マイヤーズ

脚本:デリック・ウォッシュバーン

BOSS的には・・・★★★★

ディア・ハンター

おすすめ平均:4
5涙を我慢して・・・
5現代の戦争
4視点 
3悪い映画じゃないけれど。。。
5狂わされた人生,

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