2008.12.25
2001: A Space Odyssey 邦題:2001年宇宙の旅
人類が始めて月に降り立ったのが1969年のアポロ11号。その前年1968年に、科学小説作家アーサー・C・クラークと鬼才スタンリー・キューブリックがアイデアを出し合い公開されたスペースSF映画。公開直後、興行成績は相当悪かったのですが、後々評価が高まり、今では映画史に残る不朽の名作のひとつとされています。文部科学省が「特選」に指定している、唯一のSF映画。
物語は3部構成となっています。
第一話:「人類の夜明け」
第2話:「ジュピター・ミッション」
第3話:「木星 そして無限の宇宙の彼方へ」
キーワードは「モノリス」と呼ばれる謎の物体なのですが、一体何なのか最後までわかりません。第2話には、かの有名な「HAL9000」型コンピュータが出てきます。そして第3話ではHALを停止させて1人木星に向かったボーマン船長が、木星の衛星軌道上で巨大なモノリスと遭遇し、(意味不明の)驚愕の体験を経て、人類を超越した存在であるスターチャイルドへと進化を遂げます。
音楽で有名なのは、冒頭でかかるリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」、そして月へ向かう場面での、ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」です。当時では想像もできなかったであろう宇宙飛行の鮮明なSFXや特撮と、壮大で美しいクラシック音楽の融合は、わけのわからないストーリーなどどうでもよい、この作品を本当に「オデッセイ」として捉えることに成功しています。
ちなみにこの「ツァラトゥストラ」は、カラヤン&WFOだそうです。(クレジットには出てきませんが・・・)
まあ、今から40年も前の人が月にも行ったことがない時代に、しかもCGどころかコンピュータさえも真空管を使っていたような時代に、これだけの映像を残したキューブリックには、とにかく敬服するしかありません。
また撮影に当たっては、相当数の科学者やNASAの関係者の助言を仰いだそうで、今見てもほとんど違和感がない、むしろスターウォーズなどと比べるとリアリティに溢れたシーンの連続です。まあ、無重力状態を映像化するのに苦労しているなぁということろもあちこちあって、手品のネタ探しもひとつの楽しみかも。
ということで、「オデッセイ」的作品としてはなかなかの映画なのですが、明確なストーリーも訴えたいものも実ははっきりしない。ということで、この映画をどう評価すればいいのか・・・。
映画史上の記録、あるいは映像作品としては★4つでしょうか?あくまでも「普通の映画」としては、★3つですかねぇ〜。
出演:ケア・ダレー,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルベスター,ダグラス・レイン
監督:スタンリー・キューブリック 1968年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
待たれるHD版
人類進化の弁証法
これこそ真に猿の惑星ではないのか !?人類400万年全史 !?
難解な・・・
評価できる点とできない点の落差が大きい作品
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