2008.12.14
August Rush 邦題:奇跡のシンフォニー
孤児院で育った少年が、音楽によって時に希望を、時に勇気を得ながら、両親を探す旅を描いたヒューマン・ドラマ。早く観ないと、某社長に怒られそうで・・・。
兄弟でロックバンドを組んでいるルイス(ジョナサン・リス=マイヤーズ)は、ライブ後のパーティでライラ(ケリー・ラッセル)と出会い、一夜を過ごします。彼女もまた、NYフィルとの緊張の演奏会の後でした。名門ジュリアードを卒業し、チェロ奏者として父から一身に期待を受ける彼女。しかし彼女はこの夜、ルイスの子供を身ごもります。
12年後。生まれた時から孤児院で暮らす少年エヴァン(フレディ・ハイモア)は、両親に合う為、音楽に背中を押されて、マンハッタンへとひとりやってきます。行くあてもない彼は、身寄りのない子供たちを音楽で束ねる元ストリート・ミュージシャンのマックスウェル(ロビン・ウィリアムス)のところに転がり込みます。エヴァンのもつ天才的な音楽的才能を見出されたマックスは、彼を元手に大きな稼ぎ目論みます。
この時点で、父親ルイスと母親ライラ、そして息子エヴァンは別れ別れ。そして3人は、音楽の持つ磁力によって次第に引き寄せられます。それは、当然とか必然とかではなく、そもそも音楽の持つネイティブな性質、「自然」なのです。
いきなりギターが弾けるようになったり、3分のレクチャーで作曲ができるとか、そのことで名門ジュリアードにいきなり入学とか、そういう部分はあまりにもファンタジーっぽいのですが、ここまで彼の才能を無茶に広げないで、しっかりとリアリティを持たせればもっといい作品になったのでは?
エンディングでも、ライラからルイスに事の次第を耳打ちする脚本とか、もう少し違ったラストを構築してもよかった。ルイス役のジョナサン・リス=マイヤーズは、本人が孤児院の出身らしい。MI3にも出ていたケリー・ラッセルも、演技はもうひとつではあります。
それでも、途中からは落ちる涙が止まらない。それはひとえにフレディ・ハイモアの好演によるもの。いや、ロビン・ウィリアムスとかテレンス・ハワードなど百戦錬磨の脇役陣がしっかりファンデーション固めてるということもあるのでしょう。これって、結構大事。
音楽は、プログレ・ロックからやってきたマーク・マンシーナ。なかなかのツワモノです。
原題の「オーガスト・ラッシュ」はエヴァンの芸名。邦題は、女子供を騙すためとはいえ、ちょっとやりすぎ。そういう意味で、日本の配給会社の担当者も含め、みーんなもっとシュアーに、いや「自然」にやれば、もっともっといい映画になったと思うのですが・・・。
出演:フレディ・ハイモア,ケリー・ラッセル,ジョナサン・リス=マイヤーズ,テレンス・ハワード ,ロビン・ウィリアムズ,ウィリアム・サドラー
監督:カーステン・シェリダン 2007年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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