2008.12.16
Falling in Love 邦題:恋におちて
恋に落ちると、人は元気になり、元気でなくなり、美しくなり、醜くなり・・・。それは老若男女を問わず、未婚既婚を問わず・・・。ディア・ハンターのロバート・デ・ニーロ&メリル・ストリープによる、既婚者同士の純愛、つまり不倫の物語。
クリスマスイヴの夜、ニューヨークの「リゾート(!)」という名の書店で偶然出会った、フランク(ロバート・デ・ニーロ)とモリー(メリル・ストリープ)。建築技師のフランクは、シーフロントのビル建設現場に、父が大学病院に入院しているモリーは父の見舞いに、二人はニューヨーク郊外の隣駅からそれぞれ同じような時間帯の電車に乗合わせていました。
やがてお互いを意識し始めた二人は、偶然の電車から約束の電車へ、そしてデートを重ねるようになるます。
「愛なんて今さらどこにあるの?」というフランクの妻。夕食の食卓で、患者の死を語るモリーの夫。いや、それは見ている私たちへの言い訳にしか過ぎませんよね。突然の恋は、天使の悪戯。いや、カトリックの天使はそんな悪戯はしないか・・・。
デ・ニーロはやくざがはまり役といいますか、やたらとかっこいいのですが、こういう恋に身をやつすダメ男の役もなかなかのものです。一方のメリル・ストリープ、個人的にはあまり好きな役者さんではないのですが、この映画では表情がすごくいいです。
特に、フランクがヒューストンに旅立つ夜に電話を切ったあとの表情。なにげないのですが、これはすごいです。この頃の映画って、こういうシーンをきっちりと映像化しているところがいいんですよね!映画はやはり、SFXでもDOLBYでもなく、人が演じるお芝居なのです。
音楽は、デーヴ・グルーシン。軽快なBGMは、不倫という罪をミョーにあっけらかんと見せてくれます。ってか、ちょっと軽すぎやせんか?「暢気な父さん」って感じ。
この映画の公開の翌年、日本では「金妻」正しくは「金曜日の妻たち」がオンエアされ、小林明子の「恋におちて」がヒット。「不倫」が「フリン」という市民権を持ち、社会現象にもなった年でした。
既婚者が、他の誰かと恋に落ちるのは、社会秩序の崩壊に繋がります。だめです。でもです、彼らの気持ち、痛いほど、よくわかります。やはり、「結婚は勢い」とか「できちゃった」とかではだめですね!
出演:ロバート・デ・ニーロ,メリル・ストリープ,ハーヴェイ・カイテル,ジェーン・カツマレク, ジョージ・マーティン
監督:ウール・グロスバード 1984年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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