2008.12.08
Girl with a Pearl Earring 邦題:真珠の耳飾の少女
最近フェルメールの話題が多いのですが、彼の作品の中でも私が最も好きな作品「真珠の耳飾の少女(別名:青いターバンの少女)」をモチーフにした同名小説を、ハンニバル・ライジングのピーター・ウェーバー監督が映画化した歴史ドラマ(フィクション)です。
時は17世紀1664年。失明したタイル職人の父の代わりに一家を支えるため、17歳のグリート(スカーレット・ヨハンソン)は画家のヨハネス・フェルメール(コリン・ファース)家の住み込みの使用人として働き始めます。
まともな教育を受けられず文字も読めないグリート。しかし色彩や絵画構図などに対するセンスのよさを彼女の中に見出したフェルメールは、絵の具の調合などを指示しながら、彼女からさまざまなインスピレーションを得るようになります。
フェルメールは主人、といっても婿養子のマスオさん状態。しかも彼の絵が売れなければ、一家は路頭に迷います。また主人と使用人という、何があっても不思議はない状況の中で二人はお互いの思いを秘めながら、フェルメールは彼女をモデルについにかの絵を描くことになります。
という悩める芸術家と、彼に創造のエネルギーをインスパイヤーする美しい少女の、プラトニックな愛が描かれているはずなのですが、どうもそのへんの折込みが不足している。
原作は読んでいないのですが、彼女が恋する(?)肉屋の息子ピーター(キリアン・マーフィ)とのありがちな恋物語も、フェルメールとの淡い恋に芸術的な官能性をもたらすには至らず、かえって邪魔っぽい。
もっともっと、胸の詰まるような、苦しくてどうしようもなくて、それを一枚の絵に昇華してゆくような、そういう細やかさがあればなぁと。イギリス映画ということで、ハリウッドにはないウェットな作りこみを期待したのですが、登場人物が地味なだけに終ってしまったような・・・。(^_^;)
それにしても、カットは素晴らしいです。かの名画のシーンが次々に登場し、見ているほうはなんだかお尻のあたりがむずむずしてきます。気になったのは、「真珠の・・・」の絵の少女の目は黒なのに、スカーレット・ヨハンソンは美しいブルーアイだったことかな?
ピーター・ウェーバー監督って、結構いい絵を写す監督かも?光の画家と呼ばれる「レンブラント」を想像してしまいました。フェルメール好きな方には、★もしくは★★★★★と評価が分かれるのでは?
出演:スカーレット・ヨハンソン,コリン・ファース,トム・ウィルキンソン,キリアン・マーフィ,エシー・デイヴィス,ジュディ・パーフィット,アラキナ・マン
監督:ピーター・ウェーバー 2002年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
珠玉のマイベスト
動画のフェルメール・・・・・・
フェルメールの絵画のような映像
今年も日本にやってくるフェルメール、彼の絵画が好きな方にはお勧めかも
蘇らせた17世紀オランダの光と影
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