2008.12.11
ジャコモ・プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」
映画「月の輝く夜に」に登場した、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」。「ボヘミアンたち」と題された、パリのカルチエ・ラタンに住む若く貧しいボヘミアンたちの愛と友情を描いた人気の高いオペラです。
1830年代のパリ。エッフェル塔が出来る50年ほど前のことです。クリスマスイブの夜、詩人ロドルフォ、画家マルチェッロ、哲学者コッリーネ、音楽家ショナールの4人は、薪を買う金もない寒い部屋で、それでも人生を楽しんでいるようでした。
「今夜はクリスマス・イヴなのだから、皆でカフェ・モミュスに繰り出そう」そう言って、たまった家賃として払うはずの金を持ち、仕事の残ったロドルフォだけを残して仲間たちは出かけます。
そこに、隣に住むというお針子のミミが、カンテラの火を借りにやってくるのですが、めまいに襲われ床に倒れこみます。
クリスマスイブの夜、偶然からであった貧しい二人、詩人ロドルフォとお針子ミミは恋に落ちます・・・。
このオペラの聴きどころは、
第一幕の二人が出会った場面からは、ロドルフォの「なんて冷たい小さな手」、それに応えるミミの「私の名はミミ」、お互いの気持ちを確かめ合う「おお、うるわしい乙女よ」。
第2幕のイブのカフェ・モミュスの場面からは、ムゼッタのワルツ「わたしが歩いているときは」。
第3幕、翌年の2月のダンフェール門前で、ロドルフォに別れを告げるミミの「あなたの愛の呼ぶ声に」、別れ別れになる二組のカップルの4重奏、ロドルフォとミミ、マルチェッロとムゼッタの「さらば甘い目覚めよ」。ここで若干のウルウルです。
そしていよいよ第4幕。ロドルフォとマルチェッロの「ああミミ、君はもう戻ってこない」、ミミの薬代にと質入する外套にコルリーネが別れを告げる「年老いた外套よ、聞いてくれ」。
そしてエンディング。気を利かせて部屋を出た友人たちと、残ったミミとロドルフォ。ミミの「みんな行ってしまったのね」で、
「とても大事な事を伝えたい、それは大海より大きく深いもの。あなたは私の愛であり、私の命のすべてです。」と歌います。
それに応えるロドルフォの「ああ、僕のミミ」。
二人は、出会った夜のことを語り合い回想しますが・・・。
ここで、どばーっといきます。(笑)
プッチーニの作品としては初期の部類なのですが、全編を通して彼らしいメロディに溢れています。当時のオペラは、台本は台本家が書き、それに作曲家が曲をつけるのですが、プッチーニは微に入り細にわたり台本に手直しを要求したそうです。浪々と流れる楽曲の裏では、そういう細かい積み重ねの努力がやはり払われているのですね。
ええ、たかがそれだけのことですので、凝った映画のような複雑な作りこみはありませんし、初めから終わりまで歌いっぱなしなんだから、少々のことは大丈夫!とも思えますが・・・。
少しでも興味を持っていただいた方は、是非一度ご覧ください。
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