2009.01.05
PER UN PUGNO DI DOLLARI/A FISTFUL OF DOLLARS 邦題:荒野の用心棒
黒澤明監督の邦画「用心棒」を観て感銘を受けた当時無名のイタリア人監督セルジオ・レオーネが、スペインロケで撮った日本映画の西部劇風リメイクのイタリア映画、いわゆるマカロニウエスタンの先駆的作品。
1872年のニューメキシコ。無法者の支配する田舎町にやってきた腕利きのガンマン、ジョー(クリント・イーストウッド)は、町を二分するロホ兄弟とモラレス一家の抗争に巻き込まれます。一計を案じた彼は、二つの勢力同士の抗争へと事態を進めますが・・・。
ストーリーや演出、台詞などは、「用心棒」をご覧になった方にはその類似性に驚くはず。「用心棒を観て感銘を受けた」と書きましたが、ストレートに再現しすぎて盗作騒ぎとなり、結果は訴えた東宝の勝訴となりましたが、黒澤監督自身はこの映画の出来をかなり評価していたそうです。
公開時には、イタリア人監督の作った西部劇が受け入れられるはずがないと、わざわざ「ボブ・ロバートソン」なんて偽名でクレジットしたレオーネ監督。しかしこの映画は、その原本のよさからか、予想を上回る大ヒットとなり、テレビ映画「ローハイド」で人気の出始めていたクリント・イーストウッドを、一気にスターダムに押し上げるとともに、レオーネ自身もその後「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」、そして「ワンス・アポナ・・・」へと登りつめる契機となった映画となりました。
一度耳にしたら忘れられないテーマ音楽担当のエンリオ・モリコーネをも有名にしたこの映画は、イタリア製西部劇、いわゆる「マカロニ・ウエスタン」のはしりとなります。
ジョーの行動の原点は、ヒューマニズムなのか善の心なのか?なんてことをあれこれ詮索せず、.45口径のコルト・ピースメーカーをバンバンぶっ放すアウトロー・ヒーローの物語を堪能ください。
クリントイーストウッドが劇中、「フォーティーファイブ」と言うのですが、字幕は案の定「拳銃」。やはり映画は現地語で堪能してこそです。といっても、英語以外はちんぷんかんぷんですが・・・。
出演:クリント・イーストウッド,マリアンネ・コッホ,ジョン・ウェルズ,ヨゼフ・エッガー,ヴォルフガング・ルクシー
監督:ボブ・ロバートソン(セルジオ・レオーネ) 1964年
音楽:エンニオ・モリコーネ
BOSS的には・・・★★★☆☆
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