2009.01.16

COLUMN

「紙袋と公衆道徳」

今日は朝一、お客様を訪問の後、昼前から岡山に出張。夕方帰社して社内会議。音速を超えて、冬の一日が過ぎてゆきました。もちろん、あたり前のことですが、明日も仕事です。「週休二日」なんて、どこの怠け者が言い出したのやら・・・。

で、岡山から帰りのマリンライナーでのことです。列車到着直前に駅に着いた私は、並んだ列の最後尾。列車が到着して順番に一般席から埋まって行き、私が乗車した時には「優先席」しか空いていませんでした。

「年配の方が乗ってきたら、席を譲ろう」

そう思いつつ、落ち着かないまま座っていたのですが、一人の男性が向かいの席に座ってきました。

年のころ30過ぎ。サラリーマンには見えないぼさぼさの頭、何を考えているのかわからないうつろな表情。だらしない身なり。そして彼は、しわの入った小さな紙袋を自分の隣の席に置き、通路に立つ人にも、車内放送の「手荷物は網棚に・・・」にもお構いなく、あいかわらず焦点の定まらない遠い目をして堂々と座っている。

「席を空けたらどうですか?」としゃしゃり出るほどの正義感も勇気もない自分が悲しくもありましたが、彼はきっとまともな仕事もしていないはずです。まともな仕事をして、仕事仲間と依存関係をもち、またお客様から信頼を得るべく日々努力し、社会に対して少しでも配慮があるなら、自らちっぽけな紙袋に一人分の席を取ることもないはず。

いや見方を変えれば、もしかしてその青年と紙袋は、それぞれ1席づつ優先席に座るべき社会的弱者なのかもしれません。

ただの反面教師物語でしかありませんが、それにしても皆さん、公共道徳は他人に言われるまでもなく、自ら守りましょう。人は人に、人は社会によって生かされているのですから。

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