2009.02.05

Movies

DR.No 邦題:007/ドクター・ノオ

そもそもはイギリスの作家イアン・フレミングの長編小説だった「007」シリーズの、映画第一弾であり、ショーン・コネリーが初代ジェームス・ボンドを演じた記念すべき第1作目のスパイアクション映画。

個人的に「ジェームス・ボンド」はピアース・ブロスナンなんですが、映画の世界で言えばやはりショーン・コネリーでしょうね!ということで、このシリーズはそれぞれのボンド役による別シリーズのスパイ映画として見たほうが、時代背景も自然に入ってくるのではと思うのですが、いかがなものでしょうか?

米ソの宇宙ロケット開発競争の最中、ロケット制御を妨害する電波に関してCIAの依頼を受け調査を進めていた英国諜報部ジャマイカ支局の局長ジョン・ストラングウェイズと彼の秘書が行方不明となります。事件の真相を探るべくジャマイカへと向かったボンド。調査を進めてゆくうち、沖に浮かぶ島クラブ・キーとその所有者ドクター・ノオにたどり着きます。

007-01.jpg「スパイ」というと、最近の若い方で特にうちみたいな業界人だと「スパイウェア」が頭に浮かぶでしょう。21世紀は情報化時代。いわゆる「スパイ」という人種など、ノスタルジーの中の化石でしかない。ですから逆に、かつての人間「スパイ」って結構ワクワクします。

まあ、この作品からこのとてつもないシリーズが始まったわけですから、ここから引き継がれてゆくもの、あるいは後にはあたり前になったものが、いまだ登場していないなんてのもあります。

まずは車好きの私には必須アイテムのボンドカー、これはまだここでは登場していません。途中ボンドが英国のコーチビルダー作61年型サンビーム・アルパインのレンタカーでカーチェイスするシーンが出てきますが、砂利道のコーナーでタイヤのきしみ音はしないでしょう(爆)。

拳銃は本作からすでにワルサーPPK。しかしこれは、これまで10年間ボンドが愛用していたベレッタM1919が小口径で破壊力がなく、また以前痛い目にあったため、Mの命令でイヤイヤながらワルサーに持ち替えます。このシーンも、ちょっと笑えますよね!

ボンドは登場直後に、わずか3時間のフライトまでの間にカジノで知り合った女性とベッドインします。さすがといいますか、歴史はもう始まっています、はい。そのカジノでの自己紹介が、かの「Bond, James Bond」なわけです。

お待たせのボンドガールはウルスラ・アンドレス、スイス出身の26歳(当時)。彼女は67年のパロディ映画「007 カジノ・ロワイヤル」にも登場してました。ボデコンですが、顔は薄めのなかなかのキャスティングでは?

なわけで、まだまだキャラ的にも展開的にもパターン化はこれからなのですが、素早いベッドインや小脇に抱いたボンドガール、カーチェイスにラストの格闘技、主に敵の秘密基地として登場するセットの内装などの建築デザインなどなど、シリーズの萌芽がそこかしこに見られます。

まあとにかく、ここからかのシリーズが始まったという御祝儀だけでなく、スパイアクションのひとつの出発点にして規範をしめした本作を見逃す手はありません。もちろん、60年代初期の作品として、割り引いて見てやってください。

出演:ショーン・コネリー,ジョセフ・ワイズマン,ウルスラ・アンドレス,ジャック・ロード,バーナード・リー

監督: テレンス・ヤング 1962年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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