2009.02.20
Sabrina 邦題:麗しのサブリナ
サミュエル・テイラーの戯曲「サブリナ・フェア」をビリー・ワイルダーが映画化した、「ローマの休日」で一躍スターダムに上がったオードリーの前作に続くヒット作。アカデミー衣裳デザイン賞がサブリナパンツに贈られました。(笑)
大富豪ララビー家のお抱え運転手の娘であるサブリナ(オードリー・ヘップバーン)は、次男デイヴィッド(ウィリアム・ホールデン)に身分不相応の恋心を抱いていました。父親はそんな叶わぬ恋を諦めさせ一流の料理人にすべく、彼女をパリの料理学校に行かせます。
2年後、パリ・モードを身にまとい美しくなって帰宅したサブリナを見た女好きのデイヴィッドは、婚約者で財閥の令嬢エリザベス(マーサ・ハイヤー)をほったらかしで彼女に夢中になります。
このままではいけないと、長男ライナス(ハンフリー・ボガード)は、二人を離れさせようと画策するのですが・・・。
この映画も「ローマの休日」同様、身分の違う二人の恋がテーマになっていますが、大きく異なるのはライナスとデイヴィッドという兄弟とサブリナのまあ言えば三角関係の中から、真の恋が生まれること。そして、ワイルダーお得意の全編を通してのコメディ・テイストです。
性格が真反対の兄弟を演じるのには、ベストなキャスティングなのですが、ここにオードリーが乱入してくると話がややこしくなる。25歳のオードリーに36歳のホールデンはいいのですが、55歳のボガードとなると彼女と30歳違い。スクリーンのなかでもちょっと歳の差を感じてしまうのは、私のような前期高齢者だけでしょうか?
まあ、愛があれば歳の差なんてと、勇気をいただけばよいわけですが・・・。名作「カサブランカ」から12年、ボガードはこの映画の撮影から3年後に食道がんでこの世を去ります。
一般的には悲恋の「ローマ」に対して、ひたすらオードリーを堪能する「サブリナ」というのが一般の評ですが、会話も登場人物の細やかな感情表現もなかなか深彫りされていて、ドラマとしてしっかり堪能できます。しかもワイルダーに乗せられて楽しいし!
この時代の作品は、今時と違い種も仕掛けもない真っ向勝負。カメラのズームインにも作り手の思いがひしひしと伝わってきます。これをデジタル処理に頼ってしまえば、あとは堕落の路しかありません。人間はアナログに生きている。心臓の鼓動さえも、実はしっかりアナログなのです。
それにしても、オードリーはかわいい。
出演:ハンフリー・ボガート,オードリー・ヘップバーン,ウィリアム・ホールデン,ウォルター・ハムデン,ジョン・ウィリアムス
監督:ビリー・ワイルダー
BOSS的には・・・★★★★☆
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