2009.03.16
ベートーヴェン ピアノソナタ第14番 変ハ短調 作品27-2「月光」(1801年)
今日は、「悲愴」「情熱」と並んで、ベートーベンの「3大ピアノソナタ」と称される14番「月光」です。自殺の際から戻り、再出発を誓った彼の中期代表作のひとつ。 作品番号を見ていただくとお分かりの通り、この曲は13番と同時につくられ、作曲者自身によって「幻想曲風ソナタ」と名づけられました。
しかし彼の没後、ロマン派の詩人レルシュタープが第1楽章を聞いて、「ルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と言ったことで、一般的に「月光ソナタ」と呼ばれるようになりました。
- ルツェルン湖 -
確かに、第一楽章は青白く照らす月の光を彷彿とさせますが、第二楽章は変ニ長調の軽快なスケルツォですし、第三楽章は一定の音符が急速度で連なる、いかにも難易度の高そうな楽章であり、およそ月の情景とは異なります。
実はこの二つの「幻想曲風ソナタ」は、当時彼の弟子であり、思いを寄せていたイタリアの伯爵令嬢ジュリエッタ・グイチャルディに捧げる為に作られたのです。そして彼女とは14歳という歳の差よりも、なにより身分の違いにより実ることのない恋であり、彼自身はそのことでかなり苦しんだようです。
そういう彼の、恋と言う淡く美しく、また苦しみを携えた甘き幻想をメロディにしたこの曲は、200年後の片田舎のオヤジの恋心にも、ほの蒼く浮かび上がります。
おすすめ平均:
音の質が違った
偉大な作曲家の偉大な演奏
ベートーヴェンのピアノソナタはかくも美しい
ほんまもんのベートーヴェンの豊かな味わい。いいですねぇ、このピアノは
新しいベートーヴェンの誕生
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