2009.04.13
Blood Work 邦題:ブラッド・ワーク
心臓移植を受けた元FBI心理分析官が、かつての連続殺人事件に巻き込まれるサスペンス映画。ベストセラー小説「わが心臓の痛み」を、クリント・イーストウッドが監督主演。
FBIのベテラン心理捜査官マッケイレブ(クリント・イーストウッド)は、当局に謎の挑戦的なメッセージを残しつつ連続殺人を続ける殺人犯「コード・キラー」を追跡中に心臓発作で倒れます。退職を余儀なくされ、数年後心臓移植を受けた彼は、余生をこれまでの犯罪捜査という世界から隔絶し穏やかに過ごそうと、クルーザーで隠居生活をしていました。
ある日、そんな彼の前に一人のメキシコ女性グラシエラ(ワンダ・デ・ジーザス)が現れ、「姉を殺した犯人を捜して欲しい」と依頼されます。実は、彼に移植された心臓は、彼女の姉のものであることが明かされます。
移植手術からまだ2ヶ月。いつ拒否反応が現れ、命を失うかもしれない状況の中、マッケイレブは隣人で同じくクルーザー暮らしのジェスパー(ジェフ・ダニエルズ)とともに独自の捜査に乗り出します。
クリント・イーストウッド、相変わらずです。ハリー・キャラハンのキャラのまんまいいおじちゃんになったって感じ。さすがに裸体には寄る年波を感じますが・・・。でも、その歳で?ってシーンもあって、いやそれが主演の目的だったとは思えませんが監督、私的にはラストシーンだけでカットしてもよかったのではないかと。
で、なんたって.44をぶっ放すキャラハンが監督ですので、細かい部分には詰めの甘さも目立ちます。特にグラシエラと甥っ子を撮ったシーンは、あきらかにNGですねぇ〜。
以前にもお話しましたが、こういうサスペンスとかアクション映画って、結構こういう細かいところがおざなりになってしまうものなんですが、そういう日常シーンをしっかりと作りこみ、逆に見てる私たちには不自然のかけらも見せないことで、恐怖や勢いって数倍になって伝わってくるものなのです。
細かく細かく、作りこんで作りこんで。その向こうに自然さを出すことは本当に難しいとは思いますが、それが映像作品としての映画には必須の条件だと思います。手抜きとはいいませんが、そういう部分を私のような素人に見透かされるようではねぇ、ハリー!
だから、その大変さを吹っ飛ばした「殯(もがり)の森」は、私的にはありえない映画なのです。
まあ、そうは言ってもプロットは売れた物語に相応しいサスペンスというよりはディティクティブ・ストーリー(探偵物)。最後まで真犯人に気づかないおとぼけの私は、結構楽しませていただきました。
小説だからありえることも、実写だと不自然なこともある。映画の監督って、やっぱり大変な職業ですよね!セルフ・プロデュースの限界なのかもしれませんなぁ〜。まあ、イーストウッドは好きですので、この辺にしときましょう。
出演:クリント・イーストウッド,ジェフ・ダニエルズ,ワンダ・デ・ジーザス,ティナ・リフォード,ポール・ロドリゲス
監督:クリント・イーストウッド 2002年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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