2009.04.14
Reign Over Me 邦題:再会の街で
大好きなコメディ俳優のアダム・サンドラー主演、大学時代のルームメイトとの心の交流を通して、9.11で愛する家族を一瞬にして失った男が、心身症から次第に立ち直ってゆく姿を描いたヒューマン・ドラマ。
ニューヨークで歯科医を営むアラン(ドン・チードル)は、愛する家族とともに暮らしていました。ある日、大学時代にルームメイトだったチャーリー(アダム・サンドラー)と街角で再会します。しかし彼は、なにがしか精神的に参っている様子。実はチャーリーは、9.11で愛する妻と子供を亡くし、突然の喪失から立ち直れないままに、歯科医の仕事もやめて心を閉ざしたまま生きていたのです。
そんな彼と行動をともにしてゆく間に、アラン自身も昔を思い出し、今の自分の生き方に疑問を持ち始めます。そしてアランは、チャーリーを立ち直らせることで、自らもアイデンティティや真の愛情を見つけようとします。
しかし、深い悲しみとショックで閉ざされたチャーリーの心は、簡単には誰に対しても開かれることはありませんでした。
個人的にはめちゃいけのアダム・サンドラーが、コメディではないシリアスな役に取り組んだ作品です。しかもベースは、「9.11」。ヘビーです。
しかし物語の中では「9.11」は過去の事件に過ぎない。あの事件自体を自身、どのように解釈し自分の中に落とし込んでいいものやら、未だに結論を出せずにいる私のような人間にとっては、「WTC」みたいに目をそらすことなく、あの事実に触れることができます。
二人が大学時代にロックに酔っていたことも、親近感のひとつ。二人が、往年のロックのレコードについて熱く語ったり、ジャケットの匂いを嗅ぐとこなんか、んーそうなんだよね!って感じ。
原題の「Reign over Me」は、ピート・タウンゼントといえばザ・フーの「四重人格」の中の一曲。(Disk2のラスト!)これを「再会の街」なんて、演歌みたいな邦題、つけんなよな!
それにしても、コメディ俳優と演技派俳優のコラボレーション、ええですねぇ〜。もらい仕事みたいなリブ・タイラーはいまいちでしたが、チャーリー同様にPTSDに悩むサフロン・バロウズは、ええ女です。チャーリーでなくても、惚れます。そうそう、裁判官ドナルド・サザーランド、笑わせます。
外界からチャーリーを遮断し、彼を守るのは「iPod」。彼の内面にはこんな曲が鳴り響いています。
ジャクソン・ブラウンの「The Birds Of St. Marks」、ザ・フーの「Love, Reign O'er Me」、そしてブルース・スプリングスティーンの「Drive All Night」・・・
原題はこの一節から・・・
Love, reign o'er me
愛よ、僕を支配せよ
「再会の街で」なんて大風呂敷を広げなければ、そもそもは私的ないい作品ですよ。
出演:アダム・サンドラー,ドン・チードル,ジャダ・ピンケット・スミス,リヴ・タイラー,サフロン・バロウズ
監督:マイク・バインダー 2007年
BOSS的には・・・★★★☆☆
おすすめ平均:
せつないねぇ
9.11の遺族である必要があったのでしょうか
一生忘れない映画
9.11事件で奪われたのは人命だけに非ず。人の心も深い傷を負った。
優しさとは話を聞くこと
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